“いわきスタイル”は貫いた。いわきFCがギラヴァンツ北九州に2-2のドロー。MF岩渕弘人(24)が後半、自身2試合ぶりとなる先制ゴールを決めると、8分後にDF嵯峨理久(24)のゴールで2点をリード。しかし、終盤に追いつかれ、勝ち点「3」を逃した。この日は悔しい結果となったが、アグレッシブな攻守を見せたイレブンにサポーターは激励の拍手を送った。

後半33分に1点差とされたが、イレブンは何も変わらなかった。3点目を狙い、前線からプレスをかける守備を継続。勝利を目指しボールと相手に迫った。試合は後半ロスタイムに同点ゴールを許しドロー。リーグ戦負けなしは「5」に伸びたが、悔しさだけが残った。村主博正監督(45)は「いわきFCは『90分間、止まらない、倒れない』というのを表現した結果の勝敗だったと思う。今日はみんなよく走ってくれた」とたたえた。

背番号「19」が待ち望んだ瞬間を迎えた。後半20分、DF星キョーワァン(24)の速い縦パスをMF山口大輝(24)がワンタッチでコースを変え、フリーで岩渕がボールを受けた。GKと1対1。相手の位置を見極め、右足でふわりとボールを浮かすループシュート。両腕を広げながらコーナーフラッグに向かい、ジャンプ。ガッツポーズで歓喜の輪に吸い込まれた。

リーグ最多得点を誇るチームの前線の一員。4日YS横浜戦はハットトリックと躍動したが、12日讃岐戦はシュート0本に終わり、気持ちを切り替えた。「前線の選手としてシュートを打たないのは良くない。今日は特にシュートを打とうという意識があった」。同35分の途中交代までに放ったシュートは両軍最多の6本。チャンスがあればゴールを狙い、足を振り抜いた。

6月最終戦の次節は26日、3位松本とアウェーで戦う。「『自分たちはやってやるぞ』という気持ちを前面に出していけば、絶対に勝てると思う。上位対決になるので絶対に勝ちたい」。J1経験がある相手を下し、勢いをさらに加速させる。【相沢孔志】