コンサドーレ札幌がG大阪を1-0で下し、4試合ぶり勝利を挙げた。MF駒井善成(30)が後半6分、ヘディングシュートで今季2点目を奪った。

プロ入り後、J2京都時代から得点したリーグ戦全21試合不敗(20勝1分け)の記録を持つ男の1発で、3連敗から脱出した。守備ではケガから5試合ぶりに復帰したGK菅野孝憲(38)を中心に、6試合ぶりに完封した。

   ◇   ◇   ◇

勝った。待ちわびていた歓喜の瞬間を、気持ち良く迎えた。後半途中でベンチに下がっていた駒井は、試合終了の笛を聞くと両手をたたいた。安堵(あんど)と喜びで笑顔のペトロビッチ監督(64)やチームメートらとハイタッチで喜びを分かち合った。3連敗中同士の対戦で白星を手にし「自分のゴールで勝つのは気持ちいいもの。チームがなかなか勝てないなか勝てたので、ほっとしている」と笑った。

勝ち点3に導いた1発は後半6分。駒井がドリブルで運んだ。自ら仕留めると決意し、パスした右サイドのMF金子からのクロスに頭で合わせた。「走り込んだらすごくいいボールが来た」。今季の2得点はともにヘディング弾だ。

ゴールを決めたら負けない。京都時代から続く不敗神話を継続した。プロ入りした11年からリーグ戦で得点した試合は21試合。20勝1分けと負け知らずだ。18年から加入した札幌ではJ1初得点した20年からこの日で8戦全勝。「ゴール自体少ないので何とも言えない」と控えめだが、「自分のゴールで勝ちに結び付いているのはすごいこと。これからもどんどん決めていけたら」と誇った。

“孝行息子”だ。浦和時代からペトロビッチ監督の指導を受ける愛弟子。20年には、9戦勝ちなし(2分け7敗)で迎えた鳥栖戦(2○0)で得点し、チームや恩師を苦境から救った。「本当に勝ちたかったし、ここが踏ん張りどころと自分に言い聞かせてピッチに立った」。気持ちを前面に出したプレーだった。

今季最多2万1599人の前でつかんだ勝利。19年ホーム最終戦以来、コロナ禍では初の2万人超えのスタンドに後押しされた。「最高でした。自分の中から湧き出るものがあり、サポーターの存在は大きかった」と感謝。リーグの後半戦初戦を白星で飾れたことで、巻き返しに向けたチームの視界は、開けてきた。【保坂果那】

○…GK菅野 復活した守護神が6試合ぶり完封勝利に貢献した。左ふくらはぎ痛から5試合ぶりに復帰し、ゴールを守り抜いた。直近3試合計15失点だった守備を、最後方から建て直した。「楽しかったですね。最後まで戦う姿勢を見せられた」と振り返った。「日本一」と慕うペトロビッチ監督のために、勝利をもぎ取った。

▽4試合ぶりに勝利したペトロビッチ監督「勝利をみんなで分かち合える幸せな気分を忘れかけていた時期に、ようやく勝利できた。自分が試合に出たように疲れた」

【関連記事】サッカーニュース一覧>>