アルビレックス新潟は首位攻防戦をものにできなかった。前節まで2位の横浜FCに0-2で敗れた。勝ち点45のままで、46に伸ばした横浜FCに首位を明け渡し、2位に後退した。前半19分に先制を許すと、後半25分に追加点を献上。攻撃は相手の堅守を崩せなかった。新潟の黒星は5月15日のFC町田ゼルビア戦(1-2)以来7試合ぶり。連勝も2で止まった。

6試合獲得し続けてきた勝ち点を新潟に持ち帰ることができなかった。前半19分、一瞬の隙を突かれた。長いクロスを入れられると、横浜FCのFW小川航基(24)にヘディングで先制点を決められた。0-1の後半25分には、FW渡辺千真(35)に追加点を許した。

前半はMF高木善朗(29)が絶妙なタイミングでクロスを入れるなどチャンスを作ったが、最後の1本を打てなかった。後半は立ち上がりに、こぼれ球をつなぎ、放ったDF藤原奏哉(26)のシュートがわずかに左に外れた。後半13分のMF本間至恩(21)の正面からのミドルは横浜FCのGKスベンド・ブローダーセン(25)の好セーブに阻まれた。

首位で折り返したリーグ後半戦の難しさを肌で感じた。横浜FCには前回のホーム戦で3-0で快勝。そこから6戦無敗(5勝1分け)で、第20節徳島ヴォルティス戦(1-1)で首位に立った。今度は借りを返されて7試合ぶりの黒星を喫し、首位を譲った。

「個人技、キャリアを積んだ選手がそろっていて、やっかいなチーム」。松橋力蔵監督(53)は相手への警戒度を高めていた。MF島田譲(31)も「停滞感があってはだめ。今のままでは勝てない」と練習を通してチームを引き締めていた。緩みはなかった。それ以上に相手が対策を立ててきた。2対1を保たれ、簡単にボールを出させない守備に手を焼いた。

もっとも新潟らしさを失ったわけではない。プレッシャーを受けながらも果敢に縦へのボールを狙った。勝ち点は奪えなかったが、アウェー席を埋めた約3000人の新潟サポーターに気持ちの入ったプレーを見せ続けた。首位を奪われても勝ち点差はわずかに1。自動昇格圏の2位以内を争う競り合いはこれからも続く。仕切り直して、次節(7月2日)のアウェー・ザスパクサツ群馬戦に臨む。