C大阪が3-0でホーム神戸戦を完勝で飾り、3連勝で3位に浮上した。FWタガート、MF鈴木、FW加藤の3連発で攻守ともにスター軍団を圧倒。小菊昭雄監督(47)が新型コロナの陽性判定を受け、3日ルヴァン杯に続く指揮官不在の中、今季スローガンに掲げた“絆”を武器に、最近7戦で4勝3分けと快進撃を継続させた。

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試合前の控室に、小菊監督の激励が響いた。オンラインでつないだ画面には、療養先の指揮官がいた。「いつも通りにやるべきことをやれば、君たちは勝利に近づける」。約1分間の言葉に「絶対、負けたくない気持ちが強かった」とDF舩木。代行指揮の高橋コーチは「(監督の)顔を見れば、選手も安心するから」と説明した。

前半から得意のハイプレスがはまり、神戸のミスを誘ってタガートが先制。鈴木がJ1初得点で続き、この日25歳の誕生日の加藤が「いい思い出、財産になった」という、勝負を決める3点目を挙げた。

7月以降は主将MF清武が故障離脱。この日はDFマテイヨニッチを欠き、試合中にはMF原川が左肩を脱臼。度重なる困難に直面しても、組織力をベースに鋭い守備からの攻撃サッカーは崩れない。6試合連続複数得点がそれを証明だ。

3日のルヴァン杯川崎F戦は引き分けたが、代行2戦目で初勝利の高橋コーチは「選手の高い集中力と共有意識が続いた」。5月下旬以降、公式戦17試合で12勝4分け1敗。ルヴァン杯と天皇杯でも8強に進出している。来週にも現場復帰する小菊監督率いるC大阪が、優勝戦線で大波乱を起こすかもしれない。【横田和幸】