アルビレックス新潟が4試合ぶりに白星をつかみ、暫定首位に返り咲いた。栃木SCを2-0で下し、勝ち点を59にのばした。前半40分、FW鈴木孝司(33)の6戦6発となる今季8得点目で先制。1-0の後半41分にはDF藤原奏哉(26)が3試合連続の今季4得点目でダメ押しした。今季浦和から移籍のDFトーマス・デン(25)が初出場初先発するなど前節のホーム徳島戦(6日)から先発6人が入れ替わったが、ボールを保持して攻めるチームの形を貫いた。次節20日はホームで熊本を迎え撃つ。

鈴木がワンチャンスをものにした。前半40分、DFデンがカットしたボールをMF伊藤涼太郎(24)が運んで中央から縦パス。鈴木はそれを落ち着いて受けた。「敵も見えていたし、タイミングも良かった」。ペナルティーエリア内で相手をかわし、左足でゴールネットに突き刺した。

今季自身8点目はチームにとって4試合ぶりの先制点。この試合を含めて6試合で6得点とベテランが乗っている。後半41分には藤原が3戦連発になる豪快なミドルを決めて突き放した。アウェー金沢戦(7月16日、3-0)以来4試合ぶりの勝ち点3。この金沢戦以来の無失点勝利だ。

「失点をせずに、先制点をもぎとることができた」と松橋力蔵監督(53)は話した。ここまで先制した試合は15試合で14勝1分けと負け知らず。先制=無敗を16試合に伸ばして、暫定ながら首位に再浮上した。

前節6日の徳島戦からスタメン6人が入れ替わった。デンのほかに、MFシマブク・カズヨシ(23)も今季初先発。MF小見洋太(20)は13試合ぶり先発だった。累積警告で出場停止のMF高木善朗(29)の代わりに左MFに定着している伊藤がトップ下に入った。そんな面々が役割を果たす。先制点はデンがカウンターの起点になり、伊藤がお膳立て。シマブクと小見は両サイドから駆け上がり、相手の裏を狙い続けた。

この試合は1部のエリアで声を出しての応援が可能だった。新潟側の声出し応援エリア1400席は完売。試合後には新潟の応援歌「アイシテルニイガタ」の大合唱が起きた。「(声援を聞いて)アップで鳥肌が立ち、涙が出そうになった」と鈴木。チームはサポーターの後押しにこたえてみせた。

◆松橋力蔵監督「日本一のサポーターに背中を押してもらった。前半、消極的になった部分が少しあったが、最後、いい形で追加点が取れた」