ヴィッセル神戸が延長戦の末、全北現代(韓国)に1-3の逆転負けを喫した。MFイニエスタ、FW大迫の2枚看板がベンチ外となり、初出場の前回20年の4強に及ばない不完全燃焼のベスト8敗退。今後はJ1リーグの残留争いに全力を尽くす。今大会は25日の準決勝まで一発勝負で行い、西地区との決勝は来年2月19、26日にホームアンドアウェー方式で実施される。

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120分の激闘の末、神戸は力尽きた。2年前のベスト4を下回る準々決勝敗退。主将マークを巻いたMF山口は「何か1つを話すことは難しいが、すごく残念」と悔しがった。

後半16分にMF汰木のゴールで先制も、その2分後に自陣でのミスからカウンターを浴びて失点。延長では最終ラインに人数は足りていたが、簡単に決勝点を許した。今夏に鳥栖から加入したMF飯野らの台頭で攻撃面は改善されたが、守備は一進一退が続く。

「(18日の決勝トーナメント1回戦)横浜戦と同様、同じようなミスで、すぐに点を取られたのは敗因の1つ。(その後)全体的な間延びがひどかった」とDF酒井は言う。

横浜戦から中3日の一戦。前回先発の大迫、ベンチスタートで出場機会のなかった主将イニエスタは、ベンチから外れた。故障を抱えていた2人に関し、吉田監督は、勝ち進んだ場合、25日の準決勝に起用できたか否かの問いに「そこは明言を避けたいが…そうですね」と言葉を濁した。

現在16位に低迷するJ1リーグで、降格危機に直面していなければ、大黒柱2人はベンチ入りをしていたかもしれない。先発を大量7人も変更する作戦を取らなかったかもしれない。

「FWで万全な選手はいない」という吉田監督は「この過密日程、勝っても3日後に試合(準決勝)がある。3試合全部勝つことを前提に考えると、今日は先発を入れ替えた」。

特定の選手への過度な負担、特に春先から故障が完治しない大迫のこれ以上の離脱は、クラブの致命傷にもなる。苦渋の決断で臨んだACLだった。

ベスト8に進む天皇杯もあるが、これで9月3日に再開されるリーグ戦へ、集中することになる。DF槙野は「ぶさいくでもいいので、勝ち点を積み上げていくことが今は一番」と言葉を絞り出した。