3度目の優勝を狙う浦和レッズが手倉森誠監督(54)率いるBGパトゥム(タイ)に快勝し、3大会ぶりに4強入りを決めた。

MFダビド・モーベルグ(28)の2戦連続ゴールで先制すると、終始ペースを握って試合を進めた。25日の準決勝ではヴィッセル神戸を倒した全北現代(韓国)と対決。ホームの力も借りて、準優勝した19年以来の決勝進出を目指す。神戸は全北現代に延長の末、1-3で敗退した。

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浦和はタイ勢初の快挙を目指してきたBGパトゥムを、堂々の姿ではね返した。前半32分、MF関根のパスを受けたモーベルグが迷わず右足を振り抜いた。「素晴らしいパスが来たので、ゴールの角を狙って、素晴らしいゴールを決めることができた」。強烈なシュートは相手GKの存在をものともせず。伸ばした手をはじいて、ゴールに吸い込まれていった。

ロドリゲス監督が「特に過信することがないように。勝って次の試合に進めるように」と話していた通り、予想外の出だしにも動じなかった。試合開始1分もたたずに、MF松尾がスピードを生かしてゴール。しかし、ハンドを取られて取り消し。同25分には関根がゴールを決めるも、今度は味方のオフサイドを取られて幻となった。まさに、三度目の正直。終わってみれば4ゴールでの快勝となった。

この日、ゴール裏に赤、白、黒の3色で「威風堂堂」のコレオグラフィー(人文字)が作られた。圧倒的な大声援とともに、ピッチの周りからも相手を圧倒した。前日21日の公式会見。タイの報道陣から「応援でプレッシャーが増すことはないか?」と聞かれたロドリゲス監督は、すぐさま否定した。「アドバンテージと捉えているし、本当に快適だと思っている。ファン、サポーターは、我々にとってプラス1、『12番目の選手』だと受け取っている。大きなサポートになっています」。ホームの後押しが確実にパワーとなっている。

5-0で勝利した19日ジョホール戦に続いて、ゴールを量産しての白星となった。17年以来5年ぶりのアジア制覇へ。ロドリゲス監督は「まだ何も成し遂げていない」と繰り返してきた。慢心はない。目の前の一戦に堂々のプレーで挑んでいくだけだ。【磯綾乃】