国士舘大が、試合終了間際の劇的な勝ち越し点で大阪学院大に競り勝ち、23年ぶり3度目の優勝を成し遂げた。

関東1位で全国大会に駒を進め、そのまま頂点に駆け上がった。

国士大は前半20分、左CKからFW古川真人(3年)が右足で押し込み先制。大阪学院大もカウンターから好機をつくり、前半30分にFW沢崎凌大(3年)の得点で追いつく。

後半は大阪学院大が主導権を握ったが、国士大GK飯田雅浩(4年)の再三の好守で1-1の状態が続いた。

延長戦が見えた後半ロスタイムにドラマが待っていた。国士大が右サイドからペナルティーエリア内にボールを入れ、そのまま大阪学院大のGK梅田陸空(4年)がキャッチするかに見えた。しかし、梅田がバウンドを待って処理しようとしたところ、回転がかかったボールが国士大MF東條敦輝(4年)の前にこぼれ、東條がそのままゴール前に運び右足で流し込んだ。 国士大の主将のGK飯田雅浩(4年)は「ロスタイムだったので、延長戦を覚悟していた。今大会、あれだけ止めていた梅田選手が、最終的にファンブルしてしまった。サッカーの神様は残酷だなと思いましたし、それがサッカーなのかなと強く感じました」と相手GKをおもんぱかった。

試合後には梅田の元へ駆け寄り「ここまで、大阪学院大を引っ張ってきたんだから」とねぎらいの言葉をかけた。

飯田は前半に1本、後半に1本、相手との1対1の決定的場面を止めた。「これまでの試合は枠内シュートは3試合で4本しかなかった。決勝は自分が止めるという気持ちでやっていた。先制した後は相手のペースでしたが、集中力を切らさずに、勝たせることができた」と振り返った。

サッカー部OBには元日本代表の柱谷哲二氏、永井秀樹氏や、竹内彬氏、広島DF塩谷司、MF柏好文、千葉GK新井章太らがいる。

ここ数年は、関東大学サッカーリーグや全国大会で主だった成績は残せていなかった。それだけに、飯田は「国士舘は歴史あるサッカー部ですが、最近は結果が出ていないとよく言われて、自分たちも悔しかった。OBの方たちが築いてくれたものがあったこその優勝だと思います」とキッパリ。

今大会の優勝で、冬の全国大学サッカー選手権(インカレ)の出場権も手にした。さらにたくましくなった国士大を見せるつもりだ。