J2アルビレックス新潟の左サイドバック、堀米悠斗主将(28)がチームを今季初の5連勝に導く。リーグ戦は最終盤に突入。勝ち点77の新潟は今節10月1日のアウェー山形戦に勝ち、勝ち点8差をつける3位岡山が翌2日に金沢と引き分け以下に終われば、6年ぶりのJ1復帰が決まる。昇格に王手をかけ、歓喜の瞬間は目の前に迫るが、チームの「大黒柱」に気の緩みは一切ない。これまで同様に、一戦必勝で勝ち点3奪取を狙う。

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強い思いを胸に堀米が左サイドを駆け上がる。今週末、10月1日に控える敵地での7位山形戦に向け、「プレーオフ圏内入りを狙っている相手。うちとしては積み上げてきたことを変えずに、攻守で攻撃的に仕かけたい。あとは気持ち」と言い切る。

推進力を生かした攻撃参加と発想豊かなプレーでチャンスを生み出すレフティー。1-0で勝利した前節25日の大宮戦の後半27分、堀米は左タッチライン際からふらふらっと中央に進入すると、細かいパス交換に加わりMF秋山の決勝点に関与した。厳しい試合展開の中、好連係から中央を突破して奪った得点に「いい成功体験。やりたいことが全員で共有できるようになっている」とチームの状態に手応えを感じている。

大宮戦の最終盤、相手とハイボールを競り合った際に右目上を強打し、ピッチに倒れ込んだ。DF千葉からは「娘の名前は?」と意識確認があり、大きなこぶに「イケメンになって良かったな」と声を掛けられたという。堀米は「そこでふざけるか?」と笑ったが、「緊迫した中、いい意味でみんながリラックスできるようにしてくれるのは本当に助かる」とチームのムードメーカーの存在に感謝する。

残り4試合となったリーグ戦。首位に立つ新潟は山形に勝利し、翌2日に金沢と対戦する3位岡山が引き分け以下に終われば、J1自動昇格圏内の2位以内が決まる。だが、主将は平常心を強調する。「岡山も簡単に負けないと思うし、自分たちは山形戦に集中するだけ。普段通り、いい準備をしたい」と落ち着いた表情で話した。【小林忠】

◆新潟の次節J1昇格決定条件 勝ち点77で首位に立つ新潟は次の第39節でJ1自動昇格圏の2位以内が決まる可能性がある。10月1日の山形戦に勝ち、勝ち点69の3位岡山が翌2日の金沢戦で引き分け以下だった場合、新潟の6年ぶりのJ1復帰が決まる。新潟は勝ち点80となり、残り3試合で岡山との勝ち点差は10以上。岡山は残り3試合に全勝しても勝ち点79以下となるため。