昨年覇者の北海が旭川実をPK戦の末破り、準決勝進出を決めた。“PK職人”GK葉原慶太(3年)が旭川実6人目のキッカーのシュートをセーブして勝利した。「練習でやってきたことを思い出し、コースが当たった。チームに貢献できたのがうれしかった」とうなずいた。

前半30分にCKから先制点を奪ったが、後半34分に同点に追いつかれると、PK戦を見越して同40分から葉原が投入された。5人目まで3-3。先攻の北海は6人目を成功させ、旭川実にプレッシャーを与えた。止めれば勝利。「無意識的に右と思った」。直感のまま横っ跳びすると、右手にボールを当ててはじいた。その瞬間、仲間が葉原のもとへ駆け出す。歓喜の輪の中心で笑った。「気持ち良かった。今まで味わったことがない絶景だった」と振り返った。

今大会初出場だった。現時点で正GK小野寺信(2年)の控え。「最初は悔しさがあったが、ベンチからでも勝ちに貢献できる」と切り替え、自信があるセービングを磨く。大会期間は全体練習の終わりにチームメートが1人2本ずつシュートを放ち、止めるトレーニングを重ねた。

全国に出場した昨年もチームにはPK職人がおり、決勝の旭川実戦は延長戦からPK戦にもつれ込むと、好セーブで制した。05年以来の2連覇へ向けて葉原は「一戦必勝で地に足をつけて戦っていきたい」と見据えた。【保坂果那】

▽準々決勝

北海1-1(PK4-3)旭川実【北】金田【旭】長谷川

北海道大谷室蘭4-1北星学園大付【海】市川2、伊藤、小川【星】若松

札幌光星2-0酪農学園大とわの森三愛【札】川合、池田

札幌創成2-0駒大苫小牧【札】大坂、立沢