天皇杯を制覇した甲府が、町田にロスタイムの劇的ゴールで連敗を7で止め、12試合ぶりの勝利を手にした。天皇杯から中2日。GK河田以外、先発を天皇杯から10人入れ替えて臨み、伏兵たちが力を発揮し、勝ち点3を手にした。

今季限りで退任する吉田達磨監督は「甲府が日本一になることができて、興奮、空気が変わらないうちに試合迎えられて良かった。勝利を成し遂げられて良かった。選手たちが練習の成果を出してくれた。やっと結果につながった」と総括した。

柏レイソルのアカデミーやトップチームで指導した、FW工藤壮人(32=テゲバジャーロ宮崎)が、水頭症の手術を受け、集中治療室(ICU)で治療をしていることが発表されたばかり。教え子について問われると、吉田監督は目を潤ませた。「小さいころから知ってますけど…。あれだけの男が、今、そういう、苦しみの中にいて。今日、勝利を、あと、戦っている姿を届けられたらって思いました。あいつに関しては、関係が深すぎて…。いろんなものをともに勝ち取って、ともに、傷ついて。ともにはい上がろうぜと毎日一生懸命やるぞと一番実行してきた男。今日、あいつに、ファイティングスピリットが届けられて良かった」。そう言葉を絞り出すと、おえつが止まらなかった。