J1ジュビロ磐田の元日本代表MF遠藤保仁(42)がJ1生き残りを懸けて古巣に挑む。29日のアウェーG大阪戦に備え、25日は磐田市内で調整した。次戦は約20年間在籍した思い入れの強いクラブが相手。昨季磐田はJ2だったため、パナスタで磐田の一員としてプレーするのは今回が初となる。慣れ親しんだかつての「ホーム」が「敵地」となる一戦だが、「ジュビロのために力を出し切りたい」と意気込んだ。

今季も残り2試合。最下位の磐田は次戦引き分け以下でクラブ3度目のJ2降格が決まる。勝っても他クラブの結果試合では残留が消滅する。遠藤にとって古巣は「お世話になったクラブ」。ただ、ピッチ内では容赦しない。勝ち点4差で追っている相手もJ2自動降格圏の17位。互いにクラブの将来を懸けた一戦で「残された道は勝ち点3しかない」と覚悟を決めた。

次戦は5試合ぶりの先発復帰が濃厚。パナスタのピッチに立てば、G大阪在籍時の20年9月23日以来、766日ぶりとなる。当時と変わったのは所属クラブが違うだけで、遠藤にとっては戦い慣れた場所。完全アウェーの雰囲気もモチベーションにするつもりだ。

「パナスタは日本で1、2を争うスタジアムだと思う。ここでサッカーができることを幸せに感じながらプレーしたい」。日本代表でも「決戦」と位置付けられた試合は何度も経験してきた。激戦の展開も想定内で「熱くなる時と冷静にいくところのメリハリをつけてゲームを進めたい。いいパスを出せれば、勝つチャンスは広がるはず」とイメージする。

代名詞は、冷静に淡々と-。百戦錬磨のベテランはJ1通算671試合目となる次戦も勝利のためだけに攻撃のタクトを振る。【神谷亮磨】