令和初のカズダンスだ。鈴鹿ポイントゲッターズのFWカズ(三浦知良、55)が30日、アウェーのFCティアモ枚方戦で今季初ゴールを決めた。後半39分に途中出場して1分後にPKを右足でゴール右上に突き刺した。公式戦での得点は、J2横浜FC時代の17年3月12日群馬戦以来2058日ぶり。JFL最年長得点記録と自身が持つ同最年長出場記録を55歳246日に更新。5年ぶりのカズダンスで会場を熱狂させた。

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スタジアムを熱狂させた。2-0の後半39分に「三浦知良」のアナウンス。カズは、9戦連続でピッチに立った。直後に相手のハンドでPKを獲得。ボールはカズのもとに渡った。GKの手が届かないゴール右上に5年ぶりのゴール。メインスタンドに走りだした。年若いチームメートに囲まれて、一緒に右人さし指を突き上げた。スタンドを埋めたアウェーの観衆1521人が、生カズダンスの幸せな目撃者になった。

3-1での勝利に貢献。カズは「クラブのチームメートに感謝したい。あそこでPKを自分に蹴らしてくれた。(サポーターも)アウェーにもかかわらず声援を送ってくれて、感謝したい」と思いを口にした。

令和最初のカズダンス解禁。「スコアも3-0ですし、タイミング的には良かったと思って踊りました」。本拠地の三重・鈴鹿で小学校の訪問を行っている。「子どもたちからはカズダンスを見たい、教室で踊って欲しいと言われる。けど、それはゴールを決めないと踊れないものだからと断ってきた。子どもたちのためにも踊ることができて良かったです」と喜んだ。

5年ぶりのゴール&カズダンス。JFL最年長得点記録も13年永井秀樹(琉球FC)の42歳50日から大幅に更新。今季15試合目の出場に「公式戦のピッチに立つのはとても大きなこと。どういう準備をしてどういう気持ちで毎日過ごすかが大事。毎日の練習、準備ができなければここに立てないわけですから」。

出場1分のPK弾も、日ごろの「準備」のたまものだ。「いつ自分が先発しても、交代で出てもPKがあれば蹴るつもりでいる」。居残り練習後でPKを蹴り続けてきた。「鈴鹿に来てからではなく、横浜FCの時から練習後に、蹴る練習はしていた。公式戦のこういう場面で蹴れることはうれしい」と力強く語った。

Jリーグ発足時から日本サッカー界をけん引するレジェンド。11月1日に発表されるW杯カタール大会の日本代表メンバーについて「(森保)監督は今まで呼ばなかった人は選ばないって言ってたからね。けど、この発表のときはいつもワクワクしますよね、もしかして…と」とちゃめっ気たっぷりに笑った。【波部俊之介】

○…ジャンプ界のレジェンド、葛西紀明(50=土屋ホーム)がサッカー界のレジェンドの快挙を喜んだ。30日、NHK杯(札幌市大倉山ジャンプ競技場)に出場し、前日29日のUHB杯から2戦連続の9位に入った。カズのゴールを知り、「よっしゃー! ついにやってくれましたね。ずっと僕もチェックしながら応援していたので。めちゃくちゃうれしいです」と刺激を受けた様子。カズダンスをまねて踊りも披露していた。