笑顔と涙で、ピッチに別れを告げた。

今季限りで引退する柏レイソルのDF染谷悠太(36)が、試合後にセレモニーを行い、らしいスピーチでファンに感謝を伝えた。

日が暮れ始めた午後4時半頃。壇上に上がる前から、目は真っ赤だった。「すみません! 涙腺爆発しています!」という言葉からスピーチは始まった。

セレッソ大阪時代に柏と対戦した時のことを回想。「僕がレアンドロ選手にタックルしてボールを奪い、レアンドロ選手が前半で交代したんですけど。そんな試合でセレッソが勝ったものですから、皆さんの前を歩いていったら散々な言われようでした」。真剣な口調で振り返ると、サポーターは懐かしむような笑いに包まれた。

会場を温めた染谷は「でも、そんな皆さんを背に戦う日々は…」と、感謝の言葉をつなごうとしたが、涙で続かなくなった。それを察したサポーターから、自然と拍手が起こる。ふっと息をし、言葉を続けた。

「皆さんのために、絶対に勝つ、絶対に負けない、絶対に喜びを分かち合うんだと心から思った。この人たちを喜ばせたい、この人たちのために勝ちたいと、こんなにも思ったのは初めてでした」

涙声で4年間の感謝を伝えた。

セレモニーから1時間ほどたった後の会見では、「めちゃくちゃ最高だった」と晴れやかな表情を見せた。東京出身で、幼少期から千葉テレビを視聴しており、土日には柏の応援番組を見ていたという。「柏レイソルが好きで、それがかなえられてよかった」としみじみと言った。

これからは指導者としての道を志す。「育成の柏という名を、世界にとどろかせたいという思いがある。トップチームで活躍するのはもちろん、その先につながっていく選手を育てていけるよう、僕自身も日々アップデートしていかなければいけない」と決意を示した。

京都やセレッソ大阪で活躍した染谷は、19年に柏へ移籍し、J2で37試合に出場。優勝に貢献し、J1昇格へと導いた。翌20年からは出場機会が減り、今季の出場は2試合にとどまった。