J3のヴァンラーレ八戸は10日、志垣良監督(42)が今季限りで退任すると発表した。リーグ残り2試合の指揮は執る。

今季途中、6月にJ3で下位に低迷するチームの監督に就任。就任時18チーム中17位、勝ち点7(2勝1分け8敗)のチームを引き受けた。

Jリーグの指揮を執るのは初めてだったが、選手とともに着実に勝ち点を積み重ねた。2度の3連勝などで現在13位まで順位を上げてきた。就任後、ここまで21試合を指揮し勝ち点30(10勝11敗)を獲得している。

同監督はクラブを通じ「私は、チームを1つの船に例えて選手に話をしてまいりました。目標という目的地に向かい、全員で一丸となりオールを漕ぎながら前進していく。長い航海の途中では、前方で必死にオールを漕ぐ者、中央でそれを眺める者、後方で気分がすぐれずに休む者、もしくは知らず知らずのうちに錘になってしまう者と分かれてきます。また、荒波や気象条件といった外部からのプレッシャーもはねのけて前に進んでいかなければなりません。そんな中、我々の選手は、途中、後方座席で休もうとする者がいても、前方の人間が声をかけお互いをサポートしあい、誰一人として手を休めずに全員で必死にオールを漕ぎ続け、船を前進させてくれました。その素晴らしいチーム力が後半戦の船の加速度を上げ、結果を生み出してくれた大きな要因でした」と選手への感謝を述べている。

このタイミングでの退任発表に、「約半年の期間を通して、伸びしろや手ごたえも感じていただけに非常に残念ではありますが、監督としての役割は終えチームを去ることになりました。今後はヴァンラーレの一サポーターとして、チームを見守っていきたいと思います」とした。

まだ戦いは続いており「チームは現在、リーグ戦10位以内(後半戦5位以内)を目標に闘っています。残り2試合となりましたが、最終戦で皆様と歓喜のグリーンウィンドで終えられるよう最後までチーム全緑でオールを漕ぎ続けたいと思います!」などと、最後まで八戸のために戦い続ける強い思いを、コメントに込めた。