大阪大会を制した履正社の平野直樹監督(57)は「最近はいいニュースが多い」と喜んだ。

W杯カタール大会のメンバーにOBのFW町野修斗(23=湘南)が追加招集され、同校も2大会ぶりに選手権出場を決めた。

決勝は9000人の大観衆となり、前半18分に先制を許しながら4分後にMF小田村優希(3年)が振り向きざまに同点弾。PK戦突入かと思われた延長後半8分には、MF中鉢大翔(2年)の浮き球を、来季の川崎フロンターレ入りが内定しているMF名願斗哉(みょうがん・とうや=3年)が頭で押し込んだ。

「走ること。それも必要な時に、必要な運動量で走る。自分の都合で『疲れたから』と走らなくなるのではなく、チームのために走る。それが少し、うちが上回った」

そう言って、平野監督は最後まで走り抜いた選手たちを褒めた。

目指すは日本一。まだ道の途中だ。

高い目標を達成するために、同監督はあえてエースに対しては、厳しめな評価をする。

「(名願は)今日はあまり良くなかった。注目されるだけあって、マークも厳しい。それを打ち破るためには、ここで成長が止まってしまうようではいけない。ドリブルがうまいだけではいいフットボーラーとは言えない。得点に結びつくドリブルが必要。ドリブルはするけど、バックパスではダメなんです」

DF西坂斗和(3年)は来季、徳島への加入が決まっている。J内定者2人を擁し、冬の選手権では注目の存在になりそうだ。