コンサドーレ札幌は2日、トップチーム強化を目的としたクラウドファンディングを開始した。新型コロナウイルス禍で、スポンサー企業支援のためのクラウドファンディングは3度実施してきたが、クラブのための実施は初めて。期間は23年1月31日午後11時までで、目標金額は1億円。使途は選手の移籍金や年俸の一部補塡、クラブハウス内のトレーニング設備、器具の最新化などで、金額に応じたリターン品を用意。ペトロビッチ監督の「ブラボー!」の声入り目覚まし時計などのグッズや体験型などを選べる。

担当のコンサドーレコンシューマ事業本部ファンマーケティング事業部の阿部洋介部長(37)は「チーム強化という目的でファンやサポーター、クラブ一体となって達成していく、そういう一体感をつくりたい」と話す。クラブの経営状況が厳しくて踏み切ったのではなく、ファン、サポーターとのコミュニケーションを目的としているという。

支援が直接クラブ強化につながる仕組みに、サポーターからは前向きな意見が届いている。「ありがたい」と同部長。「ビクトリーロードプロジェクト」と題し、今後はクラブ強化にとどまらず、地域貢献なども目的として、継続的にクラウドファンディングを実施していく予定だ。【保坂果那】

 

◆クラウドファンディング「VICTORY ROAD PROJECT 2022-23」 支援募集期間は12月2日午後8時から23年1月31日午後11時までの予定で、目標金額は1億円。支援金はクラブの強化費として使用される。公式サイトに支援者の名前が掲載される純粋支援5000円が最低金額で、個人向けでは選手を原則3時間レンタルできる権利100万円が最高。法人向けでは冠マッチ開催権利1000万円がある。リターン品はグッズ10、体験型10など計28種類。期間中に追加される可能性もある。

◆主なJクラブのクラウドファンディング 新型コロナウイルス禍で実施が増えた。湘南は20年8月にチーム強化費およびクラブ運営費補塡を目的に実施し、目標金額5000万円のところ8025万円を達成。22年1月開始分では、目標1億円を上回った。J2大分は同7月から第4弾を実施し、1億2767万円の支援を集めた。