サッカー関東リーグ2部の関東学院大からJ1横浜F・マリノスに加入する北海道大谷室蘭高出身のFW村上悠緋(ゆうひ、22)と、サガン鳥栖入りする札幌創成高出身のFW河波櫻士(おうじ、21)が22日、横浜市内の同大キャンパスで開かれたJリーグ加入内定選手合同記者会見に出席した。ともに函館出身で幼い頃から互いを知る2人が、Jリーグでの再会を誓った。

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Jリーグに進む2人がプロの舞台で活躍を期す。来季から横浜入りする村上と、鳥栖に加入する河波は真剣な表情で会見に臨んだ。村上は「サッカーを始めたころから夢だったJリーグの舞台から、世界に羽ばたきたいという夢がある。そこに向かって、1日でも長くプロの世界で活躍できる選手になりたい」と目標を掲げた。河波は「感謝の気持ちを忘れることなく、これから先もやっていきたい」と決意表明した。

村上は昨年7月、関東学院大と提携している横浜入りが内定。特別指定選手として8月のルヴァン杯でデビューを果たした。横浜は今季3年ぶりにJ1制覇。「練習も多く参加させてもらって、優勝するチームの雰囲気も肌で感じられたのは大きなこと。プレッシャーというよりかはやらないといけない」と口にする。

村上と河波の2人はともに函館出身。小学時代には函館選抜として同じチームで試合をするなど、幼い頃から互いを知っている。村上は「意識するプレーヤーだった」と振り返る。高校3年の全国選手権道予選では準決勝で対戦。村上がいる北海道大谷室蘭が勝利した。

高校卒業後は家庭事情などの都合からサッカーの道を諦めようとしていた河波だったが「俺も行くからお前も来い」と、村上の誘いを受けて大学でプレーを続けることを決めた。母から受け取った手紙の言葉も力に変えた。「母ちゃんとの約束のプロサッカー選手になりなさい」。背中を押してくれた母のためにもプロで通用する選手を目指す。

むかわ出身のコンサドーレ札幌DF中村桐耶(22)とは同学年の2人。同世代の活躍も刺激にしていく。村上は「1年目から遠慮することなく、開幕スタメンを狙って、どんどんアピールしていきたい」と力を込めた。【山崎純一】

○…元札幌の関東学院大・奈良安剛監督(40)が村上と河波の活躍を期待した。2人とともに会見に出席。村上について「ゴール前の質がストロングポイント。性格的な部分も素直で向上心がある」。河波へ向け「アスリート性、爆発的なスピード、スプリント力も非常に高くて、十分上のレベルでも通用すると思う」と、それぞれの強みを挙げながら笑顔でエールを送った。