どうだ! ドイツ1部のボルシアMGに加入する神村学園(鹿児島)のFW福田師王(しおう、3年)が衝撃的なゴールを決めた。前半38分に約40メートルをドリブルで独走し、左足で豪快弾。3回戦進出に貢献した。高卒では異例の海外挑戦を決めた世代NO・1ストライカーが、初戦から本領を発揮した。

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右手人さし指を突き上げた。福田が、中継カメラに向かって両腕を組んでドヤ顔で仁王立ち。フランス代表FWエムバペのポーズをさく裂させた。圧倒的なスピードで決めた衝撃弾に会場のボルテージは最高潮。「決定力は自分の特徴。体が勝手に動いてシュートに持っていけました」。大みそかに集まった等々力の観衆が思わず立ち上がる、別格のゴールだった。

前半38分。福田はセンター付近でボールを受けながら、相手DFに背中と腰でおさえてキープし、クルリと左に半回転。「本当にいいターンができました」。マークを外し、ペナルティーエリア内まで約40メートルをドリブルで独走。「スペースがあったので前に。『行けるなぁ』と思いながら」。最後は左足でズドン。その後、1度は同点とされたがチームは終盤に勝ち越し、3回戦に進出した。

1年生の時は50メートル走のタイムが7・0秒と遅かった。2年をかけて「ケツ(尻)を鍛えました」と、ゴムチューブで毎日大殿筋を強化。50メートル走は6・2秒に良化。「体が使いやすくなりました。整ってます」。ボールのない相手DFが追いつけなかったスピードは、努力のたまものだ。

W杯カタール大会日本代表DF板倉も在籍する古豪ボルシアMGに加入する。当面は板倉らのトップではなく、U-23チームでプレーする予定だが高卒では異例の海外挑戦だ。有村監督は体調不良により、国立で行われる準決勝まで同行できない。福田は「自分が監督を国立に連れていきたい」。若きエースストライカーは、心技体ともに頼もしい。【只松憲】