初出場の日体大柏(千葉)は、PK戦の末に東山(京都)に敗れ、4強進出はならなかった。

15年から柏レイソルと相互支援契約を結び、元Jリーガーの根引謙介監督(45)と菅沼実コーチ(37)が、柏アカデミーからの派遣で指導に当たっている。技術力と鍛え抜かれた球際と組織的な守備から、11本のシュートを放ったが決めきれず。PKでは柏に内定しているエースFWオウイエ・ウイリアムがストップされ、初出場で4強の夢は絶たれた。

試合後、オウイエは「前日のPK練習で真ん中に蹴って外して、よぎってしまった。自分が蹴りたくない方向(左)に蹴ってしまった。ぶれずに、真ん中に蹴っていたら入っていた」と悔やんだ。

オウイエは両チーム最多の6本のシュートを放った。それだけに「たくさんチャンスがあった中で仕留めきれなかった」と振り返った。父はナイジェリア人、母は日本人。川崎フロンターレジュニアユースから、ユースに昇格できず、日体大柏から真っ先に声をかけられ「ボールを保持するスタイルは自分に合っている」と選んだ。高校3年間の生活に「チームが苦しいときもみんなで意見を言い合って、いろんな面で成長できた。日体大柏を選んで本当によかった」。最後は涙で言葉にならなかった。

オウイエは今年から柏に加入し、プロの道に進む。選手権の大舞台を経験し「熱い気持ちを持ちながらも冷静にプレーすることが一番大事。今後はもっと冷静になれるぐらい技術をつけて、仕留めきれる決定力をつけていきたい」と早くも課題を掲げた。「チームを自分の得点で救えるような選手になりたい。W杯を見て、自分がそこに立って日本を優勝に導く選手になりたいと強く思いました」。柏から代表、世界へ。オウイエのサッカー人生はまだまだ続く。【岩田千代巳】

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