J2東京ヴェルディは10日、アカデミー生え抜きの主力、MF森田晃樹(22)と今季の契約を結んだことを発表した。

東京Vはこの日、東京・稲城のヴェルディグラウンドで始動。気持ち良く汗を流した後、森田は「ヴェルディでやるって決めたからには覚悟を持って、最後、(チームを)J1に上げた男になりたい」と意気込みを語った。

東京Vでは今オフも主力のJ1クラブへの流出が相次いだ。だが森田は残留を決意。「クラブ(東京V)からは本当に最大級というか、素晴らしい評価をいただきましたし、リスペクトを感じている。いろんな選択肢があったが、今年ヴェルディでやらせていただくことになりました」。「正直このオフシーズン、精神的に休む時間がなくて、いろんなことを考えたオフシーズンだった。人生で1番悩んだオフシーズンだった」と、さまざまな葛藤があった末の残留だったこともうかがわせた。

そんな中、世代別日本代表の経験もある森田はワールドカップ(W杯)カタール大会で活躍するA代表の選手たちを見て、以前とは違う感覚を覚えたという。「(W杯の)予選とかも行ってないし、(代表)候補にもなってない。全然(代表に)手もかかってない状態なんですけど、やっぱり見ていて悔しいなっていう思いがあって。プロサッカー選手としてそういう意識があるんだなとびっくりして。そう思うんなら目指すべきだし、W杯を目指すならどういうキャリアを歩んで、どういう計画を立ててそこにつなげるか。考えさせられた大会でした」と振り返った。

昨季途中から東京Vを率いる城福浩監督は、森田に対し「お前はまだ1つのクラブを昇格させる“背骨”にはなりきってない」と叱咤(しった)激励し、「お前ならできる」と残留を強く要請したという。

森田にとって真価の問われる1年がスタートした。ヴェルディのDNAを最も色濃く受け継ぐ背番号7が、チームを勝たせるために全身全霊でプレーする。