男子は、浜名が大会2連覇(22年はコロナ禍で中止)を狙った静岡学園を1-0で下し、19年ぶりの頂点に立った。0-0の前半19分、FW西岡修斗(2年)の初戦以来となる今大会2点目で先制。守備陣も相手に決定的な仕事はさせず、無失点に抑えた。

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浜名が、長く閉ざされていた扉をこじ開けた。1点リードのまま試合終了。19年ぶりに「新人戦王者」の称号を手にした。優勝トロフィーを高々と掲げるイレブン。内藤康貴監督(43)は「1つ静岡で勝てたことは大きい」と目を細めた。総体、選手権を含めても06年の総体以来、17年ぶりの県タイトルとなった。

0-0で迎えた前半19分。敵陣でボールを奪ったFW西岡が、ドリブルからコンパクトに右足を振り抜いた。「モーションが大きいと(相手GKに)読まれやすくなってしまう」とノーモーションキックを選択。つま先で突くように放ったシュートは、狙い通りにサイドネットを揺らした。

序盤で先制に成功すると、守備でも1歩も引かなかった。磨いてきた「距離感」と「立ち位置」で技巧派軍団に対応。1人がかわされても2人目、3人目が食らいつく-。組織で自由を奪った。準決勝までの4試合で27得点の静岡学園を完封。DF細見和志(2年)は「守備に関しては、やってきたことが出せたと思う」とうなずいた。

優勝で幕を開けた今季。県Aリーグに所属するチームが掲げる目標は総体、選手権での「全国大会出場」と「プリンスリーグ東海昇格」。加藤千寛主将(2年)は、守備に追われた後半に触れ「もっとボールを保持する時間を増やして、自分たちで仕かけられるチームをつくっていかないといけない」。細見も「もっと、1人1人のレベルアップが必要」と課題を口にした。自信と目標達成への“ヒント”も手にし、古豪復活への1歩をしるした。【前田和哉】