頂上しか見ていない! J2モンテディオ山形のピーター・クラモフスキー監督(44)らが16日、ヴァンフォーレ甲府との開幕戦(18日、JITス)に向けてオンラインで取材対応。昨季の主力4選手がチームを離れたが、成熟した攻撃サッカーとピンポイント補強で昨季6位、J1参入プレーオフ(PO)2回戦敗退からの逆襲を目指す。唯一無二の目標として指揮官は「山の頂点に行くこと」とJ2優勝を力強く宣言した。

クラモフスキー監督は42試合のリーグ戦を登山にたとえながら熱弁した。「自分たちはハードワークし続けながら山を登っていくだけ。自分たちが頂上に届くように高めていけたら良いと思う。我々が考えているのは去年よりもいいチームをつくること。それができれば頂上に近づくと思う」。1つ1つ勝利を積み重ねた先に山頂でJ2優勝、J1昇格という景色を見ることができる。

同監督はシーズン途中の21年4月30日に就任内定が発表され、今季で3年目を迎える。当時の山形は「山の下の方にいた」と15位に沈んでいた。就任にあたって選手たちに「我々は山を登っていかないといけない」と伝えたという。「今はいい発展があって、そして、いい1歩1歩を踏みながら進んできている」。就任初年度は7連勝を含む12戦無敗など巻き返し7位。昨季は6位でJ1参入PO2回戦敗退となったが、山頂はくっきりと見えている。

主力だったDF半田陸(21)がG大阪、DF山崎浩介(27)が鳥栖、MF山田康太(23)が柏とJ1クラブに移籍し、期限付き移籍で加入したFWディサロ燦シルヴァーノ(26)は清水に復帰した。それでも「私の信念は1人の選手に頼るのではなくチームとして強く戦っていくこと」と強調。問題なしの姿勢だ。8人の新戦力も「すごくうまく入ってきている。自分たちのやっているすべての要素が発展し、正しい方向に向かっているのは明確。強いチームだが、もっと強くなると思っているし、もっと成長したい」と話す。

甲府戦を前に指揮官は「シーズン開幕を非常に楽しみにしている。自分たちの強いフットボールを出せるように、対戦相手に対していいフットボールを出して、いいスタートを切りたい」。アウェー4連戦から始まるが、J2優勝を果たすためにスタートダッシュを決める。【山田愛斗】