日本代表に選出された横浜MF西村拓真(26)が鹿島戦にトップ下で先発出場し、2-1の勝利に貢献した。

国内組中心だった昨年7月の東アジアE-1選手権に出場も、欧州組が大半を占める中で選ばれるのは初。鎌田大地、久保建英らとの激しい2列目のポジション争いに「負けるつもりもない」と闘志を燃やした。日本代表は19日に集合し、24日に国際親善試合キリンチャレンジ杯ウルグアイ戦(国立)、28日にコロンビア戦(ヨドコウ)に臨む。

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冬に逆戻りしたかのような冷たい雨が降りしきる中、トップ下に入った横浜の西村はチームのために全力を尽くした。ともに降格経験のない鹿島と、ホームでの伝統の一戦。相手の厳しいマンマークで得点やアシストこそなかったが「自分にマークがくることで空いたスペースを仲間が使えるように考えた」とチームプレーに徹し、勝利に貢献した。

無尽蔵のスタミナで攻守に走り回る。2月25日の浦和戦ではJリーグ歴代3位となる走行距離14・379キロをマーク。前線からのプレスで相手を追い回し、攻撃ではチャンスメークだけでなく2列目からゴール前まで走り込める。豊富な運動量は日本代表でもアピールポイントになる。

海外組がいる中で初の代表となる。トップ下はMF鎌田大地、久保建英らがしのぎを削るチーム内でも屈指の激戦区。「いいものはすべて吸収して」と謙虚に話す一方で「自分を出せるようにしたいし、負けるつもりもない」と闘志をあふれさせた。

昨年7月には国内組主体で出場したE-1選手権で初のA代表入り。19日の香港戦では代表初ゴールを含む2得点を挙げた。「国を背負って戦うことのうれしさや責任を感じた。また行って戦いたい気持ちがわいた」。ブルーのユニホームを着てピッチに立ったことで、日の丸への思いは強まった。

富山第一から仙台、CSKAモスクワなどを経て、26歳でつかんだ絶好の機会。「急にうまくなるわけではないので、日々やっていることを出したい」。実力者がそろう攻撃陣の中、激しい争いは覚悟の上。26年の大舞台へ、サバイバルに挑む。【岡崎悠利】

◆西村拓真(にしむら・たくま)1996年(平8)10月22日生まれ、愛知県名古屋市出身。4歳でサッカーを始め、高体連の強豪である富山第一から15年にJ2仙台へ入団。18年8月には元日本代表の本田圭佑も在籍したロシア1部CSKAモスクワへ移籍。20年にポルトガル1部ポルティモネンセへ期限付き移籍、20年に仙台に期限付き移籍で復帰し、21年に完全移籍。同年12月に横浜へ完全移籍すると22年シーズンでJ1優勝に貢献。国際Aマッチ3試合出場、2得点。178センチ、76キロ。