ガンバ大阪が執念ドローを演じ、連敗を2で止めた。ホーム札幌戦は2-2の引き分け。2点を追う後半、日本代表に初選出されたDF半田陸(21)がJ1初アシストを記録するなど、2分間で2ゴールを奪って猛反撃。開幕から3分け2敗と未勝利は続くものの、多くの収穫を得た。神戸は1-0で鳥栖を下し、首位を守った。

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G大阪の新たな可能性が詰まった得点場面だった。2点を追う後半14分、右サイドを抜けだした半田に、MFラビから約30メートルの異次元スルーパスが届く。

「ネタ(ラビ)はあそこ(空いたスペース)を見ることができ、(パスを)出せる選手」という半田は、ドリブルから中央のMF石毛へラストパス。このJ1初アシストが着火点となり、2分後にMF・Jアラーノの同点弾につなげた。

24年パリ五輪の主力に期待される右サイドバックの半田は、15日に発表された日本代表に飛び級で初選出された。それでも「アシストをつけられたのはうれしいが、まだまだ」と笑顔はない。

J2山形から新加入し、開幕から4度目の先発だったこの日は、フル出場でチーム2番目の16度のスプリント回数を記録。状況に応じてゴール前に顔を出し、攻撃に幅を持たせた。

全2得点を自身のパスでお膳立てしたラビは、イスラエル代表MFとして新加入。「パスは練習で実際にやっていた。0-2を2-2にして、チームの勝負魂を出せた」と誇らしげだ。

宇佐美やジェバリら攻撃陣に故障者が相次ぐ。前節広島戦は前半2分に、この日は同6分に先制点を許すなど、守備の課題は解消されていない。だが「勝ち点を落とさなかった。今日に限れば、いい引き分けになった」とGK東口。

清水時代以来、J1で5年ぶりに得点を決めた石毛といい、ポヤトス監督は「選手は1つ1つの過程を歩んでいる」と、魅惑的な攻撃を仕掛けての執念ドローに手応えを感じていた。【横田和幸】