J2清水エスパルスが背水の思いで臨む。1日のアウェー甲府戦に備え、3月31日は静岡市内で最終調整した。前節群馬戦で敗れ、18位に転落。リーグ戦は昨年から13戦勝ちなしとクラブワースト記録を更新している。これ以上の敗戦が許されない状況で、ゼ・リカルド監督(52)は「勝利する意欲に満ちあふれている」と語気を強めた

相手は3連勝中。警戒すべきポイントは特徴を知り尽くされていることだ。甲府の篠田善之監督(51)は昨季まで清水でコーチを務めていた。選手の特徴も見透かされている。ただ、敵将が目指すスタイルを熟知していることもチームにとってはプラス材料。MF西沢健太(26)は篠田監督が清水で指揮官を務めていた19年にプロデビューを飾った選手の1人で、「前に速いスタイルは同じ。セットプレーの狙いも分かっている」と冷静に分析した。

自身にとっても対戦を心待ちにしていた一戦。西沢は「プロデビューさせてもらった監督。成長した姿を見せたい」。狙うのは恩師をうならせるような1発で勝利に導くこと。「篠田さんの前で喜んで、『やられたよ』と言ってもらえるところまでイメージしている」と力を込めた。

チームにとっても勝利だけが求められる重要なゲーム。西沢は「全てをピッチの上で置いてくる覚悟。試合を見て判断してほしい」と言った。昨季までJ1だったプライドは捨て、死に物狂いで勝ち点3を奪いにいく。【神谷亮磨】