モンテディオ山形が「不名誉」な記録を塗り替えた。渡辺晋監督(49)就任後初のホーム戦に臨み、ツエーゲン金沢に0-1で敗れた。開幕2連勝で好発進したが、これでJ2ではチームワーストの8連敗。J3降格圏内の21位に転落した。試合は0-0で前半を折り返すも、後半17分に10試合連続となる失点。最後まで多くのサポーターの目の前にあるゴールを目指し続けたが、反撃は届かなかった。

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渇望する勝ち点を、山形がつかめない。前半は6本のシュート、6度のコーナーキック(CK)をしのぎ、4試合ぶりに前半を無失点で折り返したが、後半17分、GK後藤雅明(28)がはじいたボールを頭で押し込まれ、4試合連続で先制点を献上した。攻撃陣がチャンスをつくっても結果に表れず、そのまま時間だけが過ぎ、ロスタイムのCKでは後藤雅が前線に上がって得点を狙ったが、追いつけなかった。

日曜の午後2時開始。大型連敗中でもホーム応援席は青く染まり、8試合ぶりの勝利を願うサポーターが声援を送ってくれた。敗戦が決まると、期待に応えられない悔しさのあまり、ピッチに倒れ込む選手もいた中、スタジアムを1周。応援席からは「ここからだよ!」という声がかかり、激励の拍手が送られた。渡辺監督は応援に感謝した上で「今日も期待や思いに応えることができなかった。結果がすべてなので、この結果はしっかりと受け入れなければいけない」と前を向いた。

この日、一番の大歓声は“幻のゴール”だった。後半12分、左CKでDF西村慧祐(25)が、身長187センチを生かしたヘディングでゴールネットを揺らした。「(点を)取れたと思っていたのでうれしさを共有したくてサポーターの方にいったのですが…」。だが、チームメートのファウルがあり、すぐさまゴールは取り消し。その5分後、相手にネットを揺らされた。

苦しい時間が続くが、また試合はやってくる。「ファン、サポーターの皆さんから励ましの声をいただいていますが、僕たちはそういう声をもらうためにプレーしているわけではない。勝利のチャントを歌えるように次は絶対に勝ちたい」と西村。沸いた歓声、魂の叫びに応えるため、下を向いてはいられない。【相沢孔志】

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