Jリーグ30周年記念スペシャルマッチとなった「オリジナル10」同士の一戦で、浦和レッズがガンバ大阪を3-1で破った。

アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝以降、中3日のタイトなスケジュールが続くなか、タフに走りきり、特別な試合をものにした。30年前の開幕節で0-1で敗れた相手にリベンジを果たした。

10日の鳥栖戦から先発4人を変更し、エースFW興梠慎三が先発に復帰した。前半23分に先制点を許したものの、同47分にDFショルツのPKで同点。後半9分にMF大久保智明が勝ち越しゴールを決め、同14分にもMF安居海渡がダメ押し点の3点目を決めて、かつて「ナショナルダービー」と言われるなどJリーグをけん引してきたライバルに完勝した。

相手のハンドを誘って同点ゴールのPKを獲得した興梠は05年にプロ入り。J1通算165得点は、歴代2位と、Jリーグの歴史に名を刻むストライカーだ。「自分ももう20年目くらいになるので、ガンバとの試合はいろんな思い入れのある試合ばっかり。どちらかというと嫌なイメージしかない対戦相手」とその歴史を振り返った。

続けて「(G大阪が)今は調子悪いですけど、でもガンバはガンバ。強いイメージしかないので、今日勝てたことはすごく良かった」素直に喜んだ。

一方で逆転ゴールを決めた大久保は、Jリーグ開幕の5年後に生まれた24歳。「(Jリーグの)歴史をすごく昔から知っているわけではないけど、節目で点決められたのはうれしい」と笑顔を見せ、「生まれた時からJリーグがあったのは、プロを目指すきっかけになったので、感謝している」と快活に語った。

監督からは「(シーズンで)12点決めてくれ」と言われているという。これまでゴールを意識しすぎて、判断が遅れるなどしていたが、得点シーンについて「迷わず振り抜いたって感じ」。ゴール前でのパス成功率などを課題にあげ、「いかに遊べるかが大事」と心得を明かした。

ACLから中3日で臨んだ鳥栖戦に敗れ、この日も先制点を許したが、見事に悪い流れを断ち切った。大久保は「1つチームの進化が見えた。チームの自信になる。積み重ねてきたものが間違いじゃなかった。メンバー変わっても勝てること見せられた」と胸を張った。