モンテディオ山形がホームで「歴史的1勝」を積み上げた。昨季J1の清水に2-1で競り勝ち、今季最長の4連勝。FWチアゴ・アウベス(26)が前半42分、4試合連続ゴールとなる先制点をマーク。後半3分にはFWイサカ・ゼイン(26)のゴールをアシストした。清水とは過去リーグ戦10試合で2分け8敗と勝ち星がなかったが、上位相手に初勝利を挙げ“逆襲の6月”に向け、好スタートを切った。

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直近5試合で4ゴールのアウベスがこの日も躍動した。前半42分、左サイドでパスを受け、ゴール前のFW藤本佳希(29)を狙い、右足でクロスを供給。ゴールへ向かったボールは、ワンバウンドしてポスト内側を直撃。そのままゴールに吸い込まれ、電光掲示板に「1」を刻んだ。幸運な形で先制したが、渡辺晋監督(49)は「チアゴが上げたボールに対して、佳希が反応して合わせにいったからこそ、結果的に流れて生まれたゴール。しっかり意図があった得点」と振り返った。

1点リードの後半3分には、カウンターで数的優位を作り、藤本のパスを受けたアウベスが中央に折り返し、イサカがフィニッシュ。「サイドの背後が空くのは分かっていた。あそこにスプリントする(走る)のはすごく大事にしていることなので、いいボールをくれたチアゴに感謝したい」と笑みを浮かべた。

同33分に1点差に追い上げられたが、粘り強い守備で同点にはさせず、勝ち点「3」を奪取。この日、山形が放ったシュート「8」に対し、清水は「20」。前半から攻め込まれたが、1年でのJ1復帰を狙う相手を抑えた。イサカは「個の能力が高い選手が多い中でもチーム一体でプレーして勝つのは、J2で上がっていく上ですごく重要だと思うので、もっと高めたい」と、上位進出に向け、気を引き締めた。

今後は天皇杯2回戦を経て、11日はいわきと「Jリーグ初対決」。今季通算9ゴールとし、2季連続2桁得点が見えてきたアウベスは「自分自身がすごく勢いがあってゴールをたくさんしているが、まずは次の試合でチームを勝たせることが大事」と緩みはない。この2戦はいずれもホーム。4連勝で中位まで上がってきたチームは、さらに勢いを加速させる。【相沢孔志】