ガンバ大阪DF黒川圭介(26)とセレッソ大阪DF毎熊晟矢(26)による6度目の親友対決が、28日の大阪ダービー(ヨドコウ)で実現する。

ともにサイドバック(SB)の選手で、黒川が左、毎熊が右。試合になれば、正面から火花を散らすポジションになる。

黒川は関大(大阪・吹田市)、毎熊は桃山学院大(大阪・和泉市)出身で、97年度生まれの同学年同士。ともに関西学生リーグで当時からしのぎを削り、互いに「ケイスケ」「セイヤ」と呼び合い、サッカーを通して親友になった。

兵庫・明石市生まれの黒川は「東福岡高の時からセイヤは有名だったし、桃山学院大に入学したのは聞いていた。全日本大学選抜で一緒にプレーし、選抜では当時は田中駿汰(大体大、現札幌)もいたけど、関西学生所属の選手が少なかった。自然としゃべることが多くなり、仲良くなった」という。

東福岡3年時代に高校2冠をつかんだ毎熊を意識していたという、大阪桐蔭出身の黒川。大学時代までFWだった毎熊とは、公式戦で何度も対戦し、互いの実力を認め合った。

Jリーグで先行したのは黒川だった。関大4年時に特別指定でG大阪でデビューを果たし、そのままJ1の名門クラブ入り。プロ2年目の21年以降は主力に育った。昨年からは「目標は日本代表入り」と公言する大黒柱になった。

長崎市出身の毎熊は桃山学院大からJ1に進めず、J2V・ファーレン長崎へ。そこで右SBに転向し、22年にはC大阪へと個人昇格を果たした。黒川からは2年遅れてのJ1の舞台だった。

「大学の時から彼(黒川)の全日本選抜でやっているプレーを見ていた。対人プレーも強いし、攻撃の部分で本当に速さがあって、自分でも仕掛けられる。味方も使えて、突破もできるので本当にやっかいな選手です」と毎熊。

2人は今年8月下旬、プライベートな用で電話する機会があった。その直後、毎熊が初めて日本代表に選出された。同じくサムライブルーにあこがれていた黒川は、今度は毎熊に追い抜かれた形になったものの、「おめでとうという連絡をした」と笑う。

「一緒に関西学生リーグでプレーしたメンバーが今、日本代表の中心になってやっている。代表では試合にも出て、活躍していたので刺激になった。追いつけ、追い越せで自分もやっていきたい」と黒川。

22年以降、2人が大阪ダービーでピッチに同時に立ったのは公式戦で計5試合。結果は、毎熊のC大阪が3勝1分け1敗とリードしている。

基本的に左SB固定の黒川に対して、毎熊は最初の4試合が攻撃的MFかFWのでの出場だった。G大阪が1-0で勝利した今年6月18日のルヴァン杯1次リーグで、初めて右SBとして黒川と対戦している。そして28日、毎熊が日本代表入りしてから初めて2人が対戦する。

「大阪ダービーは燃えているんで。代表に入ったセイヤとマッチアップする機会もあると思うので、そこで自分がどう見せられるかが1つ、大事になると思っている。それまでは連絡しないんじゃないですか。試合が終わったら、そこで会話すると思う」と黒川。

G大阪は現在6戦未勝利(2分け4敗)の13位で、7位C大阪は4戦未勝利(1分け3敗)で4戦すべてノーゴールだ。低調なチームを勝利に導くのは、黒川か毎熊か。親友2人が正面から激突するサイドの攻防は、見逃せない。