今季限りで現役を引退するJ2大宮アルディージャGK南雄太(44)が27日、さいたま市内のホテルで引退会見に臨んだ。静岡学園から18歳で柏レイソルに加入。ロアッソ熊本、横浜FC、大宮と渡り歩き、J通算666試合に出場した。

高校時代は選手権で優勝し、高校生ながらU-18日本代表に選出された。98年の柏入団後すぐに定位置を奪うと、長きにわたりゴールマウスを守り続けた。だが、08年ごろからはGK菅野孝憲(39、現J1コンサドーレ札幌)の台頭で定位置を失い、09年オフに契約満了となった。

当初は受け入れられなかったが、どの指導者も菅野を起用し、28歳で初めて「もっとうまくなりたい」と純粋に自分に矢印を向けることができた。「彼との出会いがサッカー人生を引き伸ばしてくれた。多大なる影響を与えたのが菅野。僕の666試合は菅野に抜いてもらいたい」。現在J通算600試合出場の、かつてのライバルにもエールを送った。【岩田千代巳】