宮本恒靖専務理事(46)が、次期日本サッカー協会(JFA)会長に就任することが29日、確実となった。田嶋幸三会長(66)が来年3月、最終任期で退任することになり、宮本専務理事とJリーグチェアマン室特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(61)が立候補を希望していた。

両者はすでにJFAの会長予定者選出管理委員会による身辺調査はクリアしており、立候補の最後の条件は25日までに、会長選の投票権を持つ47都道府県サッカー協会、なでしこやフットサル、大学サッカー連盟などの各競技団体併せて79団体から評議員16人以上の推薦を得ることだった。条件を満たすことで正式に立候補できるが、鈴木氏の推薦者は16人未満だった。

それにより、16票以上の条件をクリアした宮本専務理事1人が、次期会長候補者となり、12月24日の評議員会で、○×の信任投票が行われることになった。75団体の投票により過半数以上に達すると、正式に会長に就任することになる。

宮本氏は02年、06年W杯に主将として参加し、チームのまとめ役としてリーダーシップを発揮した。現場の感覚があり、より現実的な日本代表の強化や普及に接近できる。英語を得意とし、現役引退後の13年7月にはプロ経験者としては日本人初の国際サッカー連盟(FIFA)マスター卒業生となった。そのため、FIFAやアジアサッカー連盟(AFC)など、国際的にも豊富な人脈を誇る。

田嶋会長は以前「Jリーグが野々村チェアマン(51)で若返ったように、サッカー協会も若い力に任せた方がいいかも」と話したことがあり、46歳の宮本氏は、世代交代の象徴となりそうだ。

◆宮本恒靖(みやもと・つねやす)1977年(昭52)2月7日、大阪・富田林市生まれ。G大阪ユースから95年トップ昇格。05年J1初制覇に貢献、06年オーストリア1部ザルツブルク移籍。09年神戸で日本復帰し、11年限りで現役引退。W杯は02、06年大会に出場するなど国際Aマッチ通算71試合3得点、J1通算337試合8得点。17年にG大阪監督就任。22年3月、日本協会理事、今年1月から専務理事。