今季限りで現役を引退する元日本代表の北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)が29日に発売した初の著書「GIFTED」(幻冬舎)で、10月17日に母栄子さんが79歳で他界したことを明かした。

「おわりに」で「10月17日、12時15分。母・栄子が79歳で他界した」とつづった。10人きょうだいの6番目の小野は、中学2年だった93年に栄子さんの乳がんの手術痕を見て、プロのサッカー選手になることを決意。女手一つで育ててくれた栄子さんは、息子が引退を決めた年に天国に旅立った。

著書によると、亡くなる2週間前に顔を合わせたが、息を引き取る瞬間には飛行機で静岡へ向かうも、間に合わなかったという。「思い出す姿は、あの沼津の狭い家で洗濯をする背中だ。子ども10人分の服やタオルを、しかも二層式洗濯機で洗う。重かっただろうに……。」と振り返り、「そんな母に、本書の最後の言葉をささげたい。いつでも戻ってきていいからね、ありがとう。小野伸二」と締めくくった。

小野はこの日、札幌・宮の沢で現役ラストマッチとなる12月3日浦和レッズ戦に向けた練習に参加した。