今季限りで現役を引退した北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)が5日、札幌市内のクラブハウスで日刊スポーツのインタビューに応じた。現役ラストマッチとなった古巣浦和レッズ戦を終えて2日後、すでに「早くボールが蹴りたい」と、天才のサッカー人生は歩みを止めない。【聞き手=保坂果那】

 

--引退の実感は

小野 別に何もないですけど、早くボール蹴りたいなって思っている。

--引退決断の理由となった足の状態は? もし我慢して続けていたらどうなっていた?

小野 歩けなくなっちゃったら嫌だなって思っていた。自分自身も今後子どもたちにサッカーを伝えたい中で、足が動かない状況ではいいものを伝えられない。そういうことを含めて今回の退く決断をした。自分自身が体を一番わかっているので。

--子どもたちにサッカーを伝えたい

小野 自分が小さい時に(サッカー教室で)セルジオ越後さんに出会わせてもらって、サッカーって楽しいって余計に感じられた部分があった。これからそういうサッカーに夢見る子どもたちに、サッカーって楽しいんだよってもっともっと伝えたい。

--そのために、自分も蹴って指導したい

小野 自分がやっぱり見せるってことが一番伝えやすい。言葉より、もっと早く伝わるものだと思う。自分がしっかりとそういう意味でいい状態でいたいっていう風に思う。

--今後もサッカーと関わる上で、指導者、日本協会やJリーグ入り、クラブ経営など、今興味があるものは?

小野 全てに興味があるし、いろんなものを感じて経験してって思っている。イメージはまだ特にない。これから時間をかけていろんなものを見て回って、何が大事なのかって感じられてくると思うので、時間をしっかり掛けて。

--尊敬するマラドーナさんは母国の代表監督に

小野 興味は全然ある。それに対してのアクションもしないといけないと思うけど、退いて時間がまだたっていないので、これからどうしていくかって考えながら進んでいけたらいい。

--指導者ライセンスは

小野 B級は持っていたけど失効しちゃったので、また取り直し。全然何もやっていなくて、なくなっちゃいました。

--今後S級取得も

小野 そういう資格は取れるものは取っておいた方が絶対いいと思うので、いつの日か行くと思う。

--まずは1月の予定は

何していますかね。まだ何も決まってはいないけど、解説をやったりはあるので、そういう仕事をしながら、時間があったらキャンプを見に行ってって思っている。いろんなチームも見たいけど、やっぱりコンサドーレのキャンプに行って、一緒にボール蹴りたいので。蹴りたいですね。

--今後の拠点は

小野 東京に家があるので、そこメインで。北海道にも月2回とか3回とかわからないけど、それくらいの頻度で来ると思う。

--今後の札幌との関わり

小野 このチームがより良くなるために、少しでも協力できたらいいなっていう風に思っているし、トップチームだけじゃなくてアカデミーも含めて、全ての北海道コンサドーレ札幌に関わるものに対して、協力できたらいいなって思う。もっともっとレベルアップできるような環境づくりをできたらいい。

--今後解説者の仕事も増えていきそう

小野 もう選手じゃないので、言いたいことをいっぱい言う。これまでは抑えていた。これからは厳しい目で見て、言いたいことは言って。ダメ出しをするとかじゃなくて、視聴者にしっかり伝わる感じで伝えたい。