J2いわきから完全移籍で加入したコンサドーレ札幌DF家泉怜依(23)が18日、沖縄・金武町でのキャンプに参加した。J1初挑戦で、お手本は宿舎で同部屋のDF岡村大八(26)。J1、J2、J3、全カテゴリーを経験してステップアップしてきたセンターバックが、先輩に追いつき追い越し、レギュラー争いに挑む。

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チームメートと並ぶと1人、際だって体格の良い家泉の初のJ1への挑戦が始まった。2部練習が続き「疲労はすごい」とヘトヘト。ミニゲームでは3バックの中央や右に入った。慣れない戦術に動き方を考えながらプレーするため、より体力を使う。プロ3年目で上り詰めたJ1の舞台。「全体的にレベルも上がる。このキャンプでせめて基準くらいまで上げる」と食らいつく。

お手本がそばにいる。J3でプロキャリアをスタートし、21年にJ2群馬から加入。昨季は3バック中央のポジションを勝ち取ったDF岡村だ。家泉も1年目はいわきでJ3でプレーし、ともに全カテゴリー経験者となる。沖縄キャンプの宿舎は同部屋で「紅白戦でわからないところをハチ君(岡村)に聞いたりしている」と慕っている。ただ、憧れているばかりではいられない。「自分も(3バックの)真ん中で勝負したい。ハチ君が1番手って感じなので、試合に出るためには勝たなきゃいけない」。学び、吸収しながらライバルとなるつもりだ。

いわきはフィジカル強化に力を入れており、キャンプ前の約3週間「鍛錬期」と呼ぶ期間があり、チーム全体で集中して筋トレに取り組む。家泉の屈強なボディは、いわきで作り上げられた。プロ入り時85キロだったが現在は88キロ。体格を生かし、自慢の空中戦や対人を武器に勝負する。

いわき時代にはファンから「家様」と呼ばれ、「家様会」のファンクラブもあって愛された選手。キャンプ前の札幌・宮の沢での合同自主トレでは、ルーキーのFW出間をのぞく新加入で唯一、全3日間参加してキャンプインした。「もっと成長できる」と信じる新天地。札幌初実戦は24歳の誕生日の20日、沖縄県リーグ1部FCセリオーレとの練習試合となり、アピールを開始する。【保坂果那】

 

○…沖縄キャンプでは、20年以来4季ぶりに宿舎の相部屋が復活。30代の選手は1人部屋だが、20代は2~3人で部屋割りされている。183センチ、85キロのDF岡村と185センチ、88キロのDF家泉の2人部屋は、チーム内でも屈指のビッグサイズコンビだ。岡村は「俺らの部屋だけ多分温度高いです」と笑う。家泉は「ハチ君は部屋で自分に合わせてくれる。優しい。ハチ君と同部屋で良かった」と感謝する。

 

◆家泉怜依(いえいずみ・れい)2000年(平12)1月20日、香川県生まれ。藤井学園寒川高、流通経大から22年いわき(当時J3)入り。同年J3・33試合1得点でベストイレブンに輝く。23年はJ2で39試合2得点。185センチ88キロ。利き足は右。背番号は15。