東京23区から初のJリーグ入りを目指すJFL(日本フットボールリーグ)所属のクリアソン新宿が21日、新体制発表会を新宿駅前のモード学園コクーンタワーで行い、J3昇格への強い覚悟を示した。

ヘッドコーチだった北嶋秀朗氏が監督に昇格し、02年W杯日本代表主将の森岡隆三氏がフットボールアドバイザー兼クラブリレーションズオフィサーに就任。北嶋監督が「目標のJリーグ昇格を必ず成し遂げる」とリーグ2位以内を誓えば、森岡氏は「大都会、新宿。ないのはグラウンドだけ。サッカーはいろんな障壁を乗り越えられる」などとクラブが掲げる「Enrich the world(世の中に豊かさを作っていく)」の理念を口にした。

2時間に及ぶ発表会には、約300人のサポーターや関係者が参加。ファッション・服飾の専門学校のステージが会場とあって、東京ヴェルディから新加入した小池純輝ら選手たちは、観客席にせり出したステージを歩くランウェーでユニホーム姿を披露。ファンからは声援が飛び交うなど、ファッションショーさながらの盛り上がりだった。

また、クラブの丸山和大代表による理念の説明や新たな取り組みについてのプレゼンテーション。選手たちからは新プロジェクトの報告もあり、そこで今季から誕生するまねき猫をモチーフにしたマスコットのデザインも披露され、会場は和やかな笑いに包まれた。

また、「サッカークラブと”まち“」をテーマにしたパネルトークも行われ、森岡氏のほかに、WEリーグの高田春奈チェア、J2ファジアーノ岡山の北川真也社長が登壇。価値とは? 街とは? をテーマに「強さ、収入、人気、この3つの三角形。このバランスが崩れると下降する」「街を巻き込むためにどういう価値を提供できるのか」「ロマンを追っかけながらソロバンの部分も考えていかないと発展はない」などと独自の視点で語り合った。

クリアソン新宿の開幕戦は3月10日に沖縄SVを相手にホーム開催(会場未定)。ホームスタジアムを持たない中でJ3クラブライセンスを取得するなど、新たな道を切り開いてく日本サッカー界の異端児。今季は本気でJ3昇格という歴史づくりに挑む。