J1新潟は2日のアウェーG大阪戦へ向け、クラブハウスのある聖籠町で調整中。新潟在籍5年目のGK小島亨介(27)が完封勝利を誓った。強風の中で行われた開幕の鳥栖戦(2月24日)は前半5分に先制を許したものの、その後は好セーブを連発し、2-1の逆転勝利に貢献した。どんなプレー環境にも適応する守護神が最後方からチームを支え、チームを開幕ロケットスタートに導く。

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開幕連勝を狙うG大阪戦に向け小島は、ゴール隅を狙ったGKコーチのシュートに飛びついてボールを弾いた。開幕の鳥栖戦は珍しいキックミスで相手にスローインを与えると、リスタートから前半5分に先制点を許した。「自分の技術的なミスがあったし、センターバックがサイドに出た時の対応はボランチと確認した」と改善点を挙げたが、「練習から短い時間(相手のリスタート等)の中でもっと的確なコーチングをしていく」と失点減の好材料にする。

風下に立った前半はピンチが続いた。0-1の8分、鳥栖FWマルセロ・ヒアンと1対1の局面を迎えたが素早い出足でシュートコースを限定。同26分にはヒアンに上がったクロスが強風の影響で軌道が変わり、飛び出した小島の頭上をボールが通り過ぎたが、体を大きく広げてコースを消し、中央を固めた味方と連係し、ピンチを回避した。「リカバリーアクションは意識している。自分ができる最低限のことはできた」。

リードした後半は終盤に押し込まれ、同31分に右からファーサイドを狙ったシュートを放たれたが、横っ跳びセーブでゴールを死守した。「両手で行く準備はしていたが、ボールの回転、敵の位置を確認して前に弾かないように片手に切り替えた」。ゴール前に選手が密集し、シュートの軌道が全て見えない中での一瞬の判断と技術でチームの勝ち点3に貢献した。

GKはミスが許されないポジション。試合前のウオーミングアップでは体を動かしながら会場のピッチコンディション、日差し、風向きなどをリサーチする。「ガンバ戦もいい準備をする」。頼れる守護神が今季初の完封勝利に導き、ホーム開幕となる9日名古屋戦での“開幕3連勝”につなげる。