日本勢最後のとりで、横浜F・マリノスが4強進出へ王手をかけた。アウェーで山東(中国)を2-1と下した。前半7分にFWアンデルソン・ロペスが先制し、後半24分にFWヤン・マテウスが追加点。ロスタイムに失点したが1点差を守り抜いた。ホームの第2戦は13日午後7時に日産スタジアムで行われる。

  ◇  ◇  ◇

完全アウェーで横浜が耐えた。オレンジ色に染めた相手サポーターが大合唱。のみこまれそうな雰囲気、勝負は終盤だった。後半24分にヤン・マテウスのゴールで2点のリードに入ったが、川崎Fを逆転した勢いのまま山東は目の色を変えて反撃に出た。ファウルまがいの肉弾戦。後半だけで相手には5枚のイエローカードが提示された。

ロスタイムの後半46分、こぼれ球を蹴り込まれて失点した。会場の大合唱はひときわ大きくなる。主審の判定に山東側のスタッフが抗議を繰り返し、試合が中断。両チームが入り乱れた。勝負への執着心が色濃く出た一戦で、したたかに渡り合い勝利をもぎとった。

ブラジル人選手が目立つが、宮市の途中投入で攻撃に勢いが出たように選手層の厚さと経験値が強み。クラブ史上初のアジア8強に満足せず、次の扉にも手を掛けた。キューウェル監督が「簡単な道のりはないが、タフに1つ1つ切り開いていく」と強い覚悟で臨むACL。その大海原をマリノスが突き進んでいく。

▽2点目のヤン・マテウス「チームとしてはいいパフォーマンスを見せられたと思う。もうちょっとチャンスを決められたら良かった。次のホームの試合に集中したい。タフな試合になってくる。ホームでファン、サポーターの後押しがあるので、いい準備をして今日以上のパフォーマンスを発揮できるようにしたい」