ベガルタ仙台が水戸ホーリーホックとの開幕戦を1-0で制し、2連勝。東日本大震災から11日で13年。「復興応援試合」と銘打たれた試合で被災地・宮城に勝利を届けた。

0-0で迎えた後半31分、MF郷家友太(24)が、走り込んだMF相良竜之介(21)にパスを供給。ペナルティーエリア外から放った相良のループシュートが決まり、チームを勝利へ導いた。

  ◇  ◇  ◇

11日で東日本大震災から13年。仙台イレブンはスタジアムで黙とうをささげ、試合前のミーティングで昨年のJリーグ発足30周年記念企画「J30ベストアウォーズ」でベストマッチに選ばれた2011年4月23日川崎F戦での逆転勝利(2○1)の映像を視聴した。森山佳郎監督(56)は「サポーターのみなさんの思いや目に見えない力を出していこう!」と呼びかけ、相良は「気持ちが高ぶったし、感動を与えたいという思いで試合に臨んだ」。この思いが決勝ゴールにつながった。

今年もユアスタに歓声が戻ってきた。前半から再三チャンスをつくるも、決定機が生まれなかった仙台を救ったのはこの男だった。開幕から2戦、1ゴール1アシストと毎試合得点に絡んできた相良が魅せた。「友太くんのボールの質が良かった」と郷家のパスを胸トラップ。最後は相手GKの位置を確認し、ループシュートで決勝ゴール。歓喜の瞬間、相良はガッツポーズでピッチに滑り込み、アシストの郷家と喜びを分かち合った。

その後は課題となっていた終盤の失点を許さず、クリーンシートで2連勝。ルヴァン杯を含め、3試合5失点は全て後半34分以降の失点だっただけに指揮官は「成長を感じられる守備だった」と称賛したが、「課題は攻撃面。2点以上を取らなければ上にはいけないので、そういうチームを作りたい」と意気込んだ。

次節は16日、アウェーで秋田との東北ダービーに臨む。仙台からも多くのサポーターが駆けつけることが予想される。大きな武器でもある声援を力に、3連勝で仙台へ帰ってくる。【木村有優】