コンサドーレ札幌が初心に立ち返り、今季初勝利を狙う。29日、札幌・宮の沢でアウェー神戸戦(30日、ノエスタ)に向けた前日練習を行った。開幕から1分け3敗で未勝利のチームは前年J1覇者との戦いを前に、自分たちの強みでもあり、やり慣れたマンツーマンディフェンスの徹底を再確認。チームで唯一4戦フル出場中のDF岡村大八(27)を中心に、積極的な守備から攻撃に転じる。

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札幌は今季初白星を手にするため、神戸に対して前から圧力をかけにいく。前日練習ではボール回しなど軽めのメニューで終了。ミニゲームもセットプレーの確認もしなかった。やるべきことは理解できている。最下位脱出へ、ペトロビッチ監督(66)は「神戸からポイント(勝ち点)を持って帰って来たい。全員の力を持ってこの状況を何とか打破していきたい」と誓う。

試合4日前の26日、クラブハウスに選手を集めてミーティングが行われた。練習前ではなく、練習後は珍しい。約1時間、神戸の今季の試合映像を見ながら、指揮官は球際の強さや切り替えの早さなど、あらためて戦う心構えを強調した。個々に厳しい言葉も投げかけたという。

チームは前線からプレスをかけるマンツーマンディフェンスに、20年から取り組んできた。だが前節町田戦(1-2)では、ロングボールを多用する相手に対応するため、DFを1枚余らせた。積極的な札幌らしいプレーを取り戻すためにも、原点回帰する。CBを務める岡村は「勝利を求めるためにも、もう1回自分たちのマンツーマンのサッカーをやろう、と。尻をたたかれて火がついた感じ」と燃える。

3連敗で2週間のリーグ中断に入った。その期間で、複数のケガ人が全体練習に完全合流した。昨季J1を制した神戸には直近8戦未勝利(1分け7敗)と相性は悪いが、岡村は「ここからまた再スタート。何とかまず勝利を一つ取りたい」。自信を回復する勝ち点3が早く欲しい。【保坂果那】

 

DF高尾瑠(27) G大阪からの新加入が札幌デビューする。今季初出場の可能性が高まった。1月の沖縄キャンプから左腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)炎でリハビリしていた。28日はMF駒井宅でしゃぶしゃぶや食後のプリンをごちそうになり、パワー十分。「勝って勢いに乗りたい」と思い描いていた。