鹿島アントラーズがFW鈴木優磨(27)のPK弾でジュビロ磐田を1-0で下し、今季初の連勝とした。

試合は、日本代表招集を負傷で辞退したMF佐野海舟がベンチ外。MF柴崎岳も負傷離脱中という中、ランコ・ポポビッチ監督(56)は、ボランチにMF土居聖真(31)を起用した。

本来は、トップ下で先発したMF名古新太郎(27)が本職のボランチ。だが、指揮官は「正確なボールを供給できる選手を置きたかった」と、視野が広く、攻撃で違いを生み出す土居を抜てきした。

指揮官の思惑通り、土居はボールを受けては積極的に縦パスや斜めのパスを供給。ゴール前のFW鈴木への浮き球パスは、結果的に鈴木のシュートが枠に行かず得点にはならなかったものの、土居の特長が大いに生きた場面だった。

人生で、先発からボランチに入るのは初めてだったというが「新境地開拓」と言ってもいい。

紅白戦ではサブ組でボランチをやっていた。先週の練習試合でも90分間、ボランチで出場し、今回の起用につながった。「開幕戦以降、なかなか試合に絡む機会が少なかったので。自分がしたいプレーをしようと」と土居。「練習からコンディション、パフォーマンスも落とさずにやれていたので自信はありました。それが結果につながって良かった」と振り返った。

ポジショニングや攻撃の組み立てへの参加は「自分がやりたいことをしていた。感覚でやっていた」という。攻撃時に詰まる場面も少なく、土居のサッカーIQの高さも発揮された形だ。

本人は「欲を言えば、もっとカウンターで出て行きたかった」と話すが、今季からボランチ起用が多いMF知念慶とのコンビは、まだまだ伸びしろがある。「まだ1試合ですし。景色とか慣れていない部分があるので、もっと向上できるように、ビデオも振り返ってやっていきたい」と意欲を見せた。【岩田千代巳】