チーム最年長がシン副主将就任に向けてアピール弾だ! 勝ち点7で並んでいた柏との対戦は1-1に終わったが、昨季の第23節湘南戦(23年8月12日)から続くホーム無敗(リーグ戦のみ)記録を「8」に伸ばした。前半15分、セットプレーの流れから先制されたが、後半12分、今季初出場のDF千葉和彦(38)がMF高木善朗(31)の左クロスを右足ボレーで合わせ、同点に追いついた。中3日で迎える次節(4月3日)は、アウェーで磐田と対戦する。

   ◇   ◇   ◇

ベテランの千葉が、スタジアムの歓声を独り占めした。0-1の後半12分、高木の左クロスを右足ダイレクトで決めた。本拠地でのゴールは11年8月以来、約13年ぶり。Jリーグ通算9得点目は初のヘディング以外でのゴールとなった。「いつか足で決めたいなと思っていた。副主将を狙ってるので試合後、ゴメス(堀米主将)に『もう見たら分かるよね?』と言っておいた」と笑った。DF堀米悠斗主将(29)は「決まりだろ、と言われた。もう逃げられないところまで来ている。さすが。助けられました」とニヤけた。

広島に完全移籍したDF新井直人(27)に代わり、副主将の座を狙う千葉はセンターバックで今季初出場初先発。松橋力蔵監督(55)は千葉の起用を「守備力と、ボールを動かせる技術があるので、優位性をもたらしてくれると思った」と説明。同点弾には「本当に素晴らしい。(得点が)入った瞬間、涙が出そうになった」と賛辞を贈った。千葉は「(監督は)たぶん、涙は流れていなかった。次は涙も鼻水も出せるようにしたい」と畳みかけた。

試合後は冗談を飛ばし続けたが、勝利を逃した反省も忘れない。チームは柏のハイプレスに苦しみ前半だけで8本のCKを与え、そのうちの1本から失点した。「特に前半は悔いが残る。全体で相手の圧を受けてしまった」と千葉。堀米も「ボールの失い方が悪くてカウンターを受けた」と話した。ただ、後半は最終ラインやボランチが対角線の長いボールを配給して敵陣深くまで進入。最終盤には決定機を作った。あとは決めきるだけ。千葉は「いい課題を与えられたし、まだまだ成長できる。修正しながら前に進む」と次節に目を向けた。【小林忠】