昨年7月に右下腿(かたい)三頭筋肉離れで離脱した川崎フロンターレのMF大島僚太(31)が9日、約9カ月ぶりに全体練習に完全合流した。負傷後、同箇所や別箇所で筋肉系のトラブルを繰り返し調整が続いていた。

久々に全ての練習メニューをこなした10番は「なんだかんだこんなに(チームを)離れたの初めてなので、(体力的に)きついなーと」と充実感たっぷりに振り返った。

長いリハビリ期間「いろいろな感情があった」と落ち込むこともあったが、「早く治らないかな、しっかり治したいな、もうケガしたくないな」と手を抜かず、地道に取り組んだ。

ファンタジスタらしく、ボールを使った練習は格別だった。「より楽しさがありました。こんなに頭を使う日々って楽しいなと思いました」。周りの状況を把握しながら仲間とプレーする喜びをかみしめた。ゲーム形式のトレーニングまで消化し、繊細なボールタッチは健在。パスやトラップの質を求めるチームにとってもプラスになる。ベテランGK安藤駿介(33)からも「大きいですよ。誰もが思っている。川崎だけではなくて、敵チームからしても僚太がいたら脅威だと思う」と歓迎された。

チームはリーグ15位と波の乗れていない。長くスタンドから見守った大島は「外からはいくらでも言える。実際にピッチに立ったときに僕がどう感じるかわからない。特にこれというのはない」とフラットに構えている。今後、体力的な積み上げを経て実戦復帰を目指す。「会いたいですね、みんなに。いろいろなチームの選手に」。キングがJ1の舞台に戻ってくる。【佐藤成】