サッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ北海道が、13日に旭川実高グラウンドほかで開幕する。昨季を世代最高峰のプレミアリーグで戦った旭川実高は、午後2時からの初戦で北照高と対戦。U-17日本高校選抜の指揮官を兼ねる富居徹雄監督(52)と同選抜メンバーでエースFW清水彪雅(ひゅうが、3年)は、今大会の優勝とプレミアリーグ復帰を誓った。

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1年間流し続けた涙を、無駄にしない。11年ぶりにプレミアリーグEASTで戦った昨季は3勝1分け18敗。11位の横浜FMユース戦にはホーム&アウェーでともに勝利したが、勝ち点10の12位(最下位)で、プリンスリーグ北海道への自動降格が決まった。富居監督は「プレミア(リーグ)基準を維持し、プラス昨年どうしても少なかった攻撃の部分を改善したい」と今季の目標を掲げた。

昨年4月16日の旭川実高グラウンド。土砂降りの雨の中で青森山田高に0-3で敗れた。2年生で先発FWに抜てきされた清水はハーフタイムで交代を命じられ、ベンチで泣き崩れた。「昨年の(悔しい)経験があって成長できました。今年のプリンスでは1試合2点以上取ります」。富居監督は「特にインテンシティ(プレーの強度)の部分の差が、関東、関西のチームと(11年で)大きく開いたのを感じました」と、世代最高峰のリーグで戦った昨季を苦い思いで振り返る。

戦いの舞台が道内に戻る今季は、押し込まれ、守備の時間が長かった昨季とは、戦い方を一変させる。MF萩野琉衣主将(3年)は「攻撃の質を上げて、得点を取ることを、チームとしてこだわってやっていきたい」と話す。3月のJヴィレッジ杯では、1点を追う予選リーグ・関東第一高戦で追いつき引き分けに持ち込むと、順位決定戦の帝京長岡高戦では先制ゴールを奪うなど、積極的に攻めた。明大や桐蔭横浜大など、関東大学リーグ1部チームへの練習参加もスケジュールに加え、攻撃面をスケールアップした。

萩野は「プリンス、インターハイ(総体)、選手権の道内3冠を取ります」。18年から遠ざかる選手権も含め、全てのタイトルを奪取し、旭川実高が、再びトップオブトップのステージに舞い戻る。【中島洋尚】

◆高円宮杯プリンスリーグ2024北海道 旭川実高、札幌U-18、北海高、札幌大谷高、札幌創成高、北照高、駒大苫小牧高、北海道大谷室蘭高の8チームで2回戦総当たりのリーグ戦を実施。勝ち点上位1チームが、25年度のプレミアリーグ出場権をかけたプレーオフに進出。プレーオフには全国のプリンスリーグ上位16チームが参加。勝ち上がった4チームがプレミアリーグに昇格する。