セレッソ大阪がホームでの川崎フロンターレ戦を1-0で制し、2連勝で20年7月以来の首位浮上を果たした。

昨季まで川崎Fに一筋15年間在籍したDF登里享平(33)は、攻守で勝利に貢献。古巣との初対戦後に涙ぐむ場面もあった。クラブ設立30周年のC大阪は、またもクラブ記録更新となる開幕8戦不敗(5勝3分け)。町田は神戸に1-2で敗れ、首位から3位に陥落した。

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DF登里は、試合後に泣いていた。昨季まで一筋15年間在籍した川崎F鬼木監督にあいさつし、目頭を押さえた。

「オニ(鬼木)さんとは長いし、いろんな感情があった。『けがなく』と声をかけられて…」と振り返った33歳は、涙について「パフォーマンスです」と、大うそで笑わせた。

決勝点は後半25分、川崎Fにカウンターを浴びた場面から始まった。DF舩木が自陣で相手FW家長の進入を封じ、こぼれ球を登里が拾い、DF毎熊らを経由し、FWレオ・セアラが3戦連発となる決勝点を挙げた。わずか25秒で地獄から天国へと転じさせた。

「勝ちたい一心。アップの時の(C大阪サポーターから)自分の応援歌を聞き、腹をくくって挑むことができた。自分はC大阪の選手なので心強かった」

古巣で4度のリーグ優勝など黄金期を支えたが、東大阪市生まれの登里が故郷に戻ったのは、新しい挑戦や成長を自らに求めたからだという。歯ブラシもパンツもC大阪カラーのピンクに変えた。

待望の首位に立った小菊監督は「幸せな気分」と喜び、開幕から全8戦で先発する左サイドバックに「攻守に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。感謝の気持ち」とし、中盤で攻守の組み立てにかかわる仕事をねぎらった。

控室で「あと、30分やりたかった」と仲間を笑わせた登里は「目標(優勝)を達成するために来た。勝ち続けたい」。けがの影響で欠場が続くMF香川や清武も、近く公式戦に復帰できる。勝者のメンタリティーを持つ登里も加わり、悲願の頂点へと導く。【横田和幸】

◆登里享平(のぼりざと・きょうへい) 1990年(平2)11月13日、東大阪市生まれ。香川西を経て09年川崎F入団(リーグ、ルヴァン杯、天皇杯の3大タイトルは計7度優勝)し、今季からC大阪へ完全移籍。J1通算288試合9得点。168センチ、68キロ

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