FC東京DF長友佑都(37)が、16年ぶりのJ1での東京ダービーに出場した。

前回08年に東京ヴェルディと対戦した時にプレーしていた唯一の選手だった。

前半のうちに2点をリードされ、前半43分にFW安斎颯馬が2枚目のイエローカードで退場となった。完全に負け試合だったが、後半に一気に盛り返した。

1点差とした後の後半28分から出場すると「絶対に流れを変えてやろうと思った」。1人少ないFC東京が、終盤は東京Vを圧倒した。そして後半49分の追加タイムに遠藤渓太のゴールで追いついた。

「自分たちの東京のスピリット、あきらめないの見せられた。勝てなかったのは残念ですけど、この状況で引き分けに持ち込めて良かった」と喜んだ。

16年ぶりのJ1は格別だった。「J1のどんな試合よりも興奮したし、すごくアドレナリンが出ました」。3万1746人で埋まり、両チームのサポーターが声を張り上げ、歌う光景はまさに非日常の劇場だった。「負けている状況だし、点を取らなきゃいけない。このスタジアムの雰囲気もFC東京のものにする。そういう気持ちだった」。

08年にFC東京でプロ1年目を踏み出した時の監督は、現東京Vの城福浩監督。昨年7月に天皇杯3回戦で対戦した時に「J1で待っててくれ」と声をかけられていた。この日は試合前にあいさつしただけだったが「またJ1で戦えて。敵になりましたけど、うれしいなと思いました」。

16年という歳月を感じるとともに、東京ダービーをより魅力のあるものにしたいという思いを強くした。

「ヴェルディが上がってきてまたダービーができるのはうれしい。格別な思いが自分の中で出てきた。もっと盛り上げたい。ミラノダービーもそうですけど、トルコのガラタサライやフランスでも、街が1週間前から雰囲気が変わるというのを経験してきた。今週、東京ダービーがあるんだと雰囲気が上がるようにしたい。認知度も含めてそういうのに持っていきたい」

世界に誇れる魅力あるJリーグへ、長友はまだまだ走り続ける。【佐藤隆志】

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