東京ヴェルディのポルトガル人FWチアゴ・アウベス(27)のデビューが近そうだ。

城福浩監督が15日、YBCルヴァンカップ2回戦の鹿児島ユナイテッドFC戦(17日、白波スタ)に向けた会見で注目の新戦力について言及した。

13日の明治安田J1第8節、FC東京との「東京ダービー」で初めてベンチ入り。2点をリードする展開の中、出番はなかった。その起用方法について問うと、こう回答した。

「おそらく我々が得点を取りにいかなければいけない状況であれば、彼は(FC東京戦の)ピッチに立っていたと思います。そういう準備はできている。あとは我々が求める攻守の連続性ですよね、ここを出していければ間違いなく我々にとっては大きな武器になる」

そう説明した上で、「まず彼は公式戦というものをしばらくやっていないので、まず試合の中でゲーム勘とゲーム体力というものを深めてもらって、直近のリーグ戦につながっていけばいいなと思います」と発言。地力ある川崎フロンターレ戦(20日、U等々力)を見越し、鹿児島戦で起用される可能性が高まっている。

ヴェルディでは攻守に連続するハードワークが求められるが、そこへの理解も高まっているようだ。

「実際にプレーして、我々のアドバイスとか我々のやっているサッカーに歩み寄っていく作業がいるんですけど、それによってその試合は犠牲にはできないので、ここまで慎重にやってきましたけど」と断った上で、「すごい長い時間を取るかは別にしても、我々が求める守備と攻撃のやってほしいことは理解している。何よりそれが彼の特長と重なっている。彼の特長をフルに出すことが、自分たちがそのポジションでやってほしいことにつながっていくと思う。そこはいいゲームの入りをさせたいなと思います」。

攻守に渡ってスピードが持ち味で、性格的にもチームのために闘える誠実さ、責任感がある選手。スーパーサブとして起用されるFW山見大登だけでなく、もう1本のヤリが加われば、終盤の試合運びが課題されるチームにあって「クローザー」の役目も担えそうだ。

当のチアゴ・アウベスもいつ出番が来てもいいように、準備を整えている。

「(東京ダービーは)チームに帯同できてうれしかった。試合の雰囲気も素晴らしかった。ただ勝ち点3を失ったのは残念だったが、次にすぐ試合はくる。そこに向けてやりたい」と意欲満々。

その試合でも、自身が起用されていた時のプレーイメージはしっかりと頭に描いていた。

「2-0で勝っている状況で、3点目のチャンスはあった。自分が出たら、攻撃の違いを見せられるかなと、常にイメージしていた。ただ1失点して、続けて2失点目という流れだったので」。出番はなかったが「監督が決めたことなので受け入れるだけです」。謙虚な人柄が言葉ににじんだ。

ルヴァンカップでのデビューが期待される状況は把握しており、「しっかりチームに貢献しないといけない。試合勘、自信も取り戻して、チームに貢献したい。まずは勝って次につなげることが大事。自分たちがやれるというところを見せたい」と意気込んでいた。【佐藤隆志】