J1首位のセレッソ大阪は、17日にルヴァン杯初戦となる2回戦でJ3岩手(いわてグルージャ盛岡)と敵地で対戦する。

首位に浮上した13日の川崎F戦から中3日。週末の21日には再び中3日で難敵名古屋とのアウェー戦が控えるため、岩手戦の先発は大幅なメンバー変更となりそうだ。

今季公式戦初先発が予想されるFW渡辺りょう(27)は、10日の取材で「とにかく試合に出て点を取る準備をするだけ。(前線の)守備からリズムをつくっていけば、必ず最後は自分のところにボールが戻ってくると思っている」と、愚直なプレーを誓った。

昨夏にJ2藤枝から途中移籍し、リーグ戦は7試合1得点の成績を残したものの、最終盤はけがで離脱。今季は序列を下げて開幕から出場機会が激減し、ここまで途中出場2試合の計8分のプレーにとどまっている。

同じく出場機会が少ないMFジョルディ・クルークス(30)や、主将DF山下達也(36)らの普段の前向きな言動を見て、渡辺は「試合に絡めていないからといって、彼らが手を抜くことはない。そういった選手が近くにいて、僕には手本になる。いるからこそ毎試合、(精神的な)浮き沈みがなく取り組んでいける」と静かに意気込む。

若手や中堅だけでなく、故障の影響で離脱していたMF香川真司(35)やMF清武弘嗣(34)の大ベテランが戦列復帰する可能性もある。GKヤン・ハンビン(32)や、3月に新加入のインドネシア代表DFジャスティン・ハブナー(20)、MF上門知樹(26)、FW山田寛人(24)らの先発も期待される。

クラブ設立30周年の今季は、悲願のリーグ初優勝が最重要テーマ。だが、17年に初優勝したルヴァン杯も21、22年は連続準優勝するなど相性がよく、「総力戦で臨む」と公言している小菊昭雄監督(48)のマネジメントにも注目だ。

今季のルヴァン杯は大会方式が変更され、第1ラウンドはトーナメントで実施され、90分間で決着がつかない場合は延長戦、さらにPK戦に突入する。C大阪とすれば90分で勝ちきり、途中からの主力投入は極力避けたいところだ。

対戦相手の岩手は、元日本代表DFの秋田豊氏(53)がオーナー兼社長を務める。今季ここまでJ3で2勝2分け5敗の18位(全20チーム)と低迷するものの、36歳の元日本代表DF西大伍や、かつてC大阪にも所属した37歳FW都倉賢らが試合に絡んでおり、タレントも多い。14日のリーグ戦ではFC大阪に0-1で敗れ、C大阪よりも厳しい中2日の日程となる。

◆いわてグルージャ盛岡 岩手県全域をホームタウンとするJ3クラブ。03年に将来のJリーグ入りを目指して「グルージャ盛岡」を発足。14年からJ3で戦い、J2初昇格の22年は22位で1年でJ3に降格。「グルージャ」はスペイン語で「鶴」の意。盛岡市にある本拠地いわぎんスタジアムは収容5046人。23年9月から中三川(なかみかわ)哲治監督(52)が指揮を執る。