<J2:湘南5-0富山>◇第17節◇23日◇平塚

 湘南が5-0で富山に圧勝し、3回戦総当たりの1回戦目(第1クール)を勝ち点39の2位で終えた。今季就任の反町康治監督(44)が導入した電解質を補給するサプリメントの服用などで、90分間走りきれるようになった。00年からのJ2も10シーズン目。かつて「湘南の暴れん坊」と恐れられた強豪が、3位までの昇格に向けて首位C大阪を猛追している。

 湘南の4点目を決めたのは、前線に飛び出したMF坂本。中2日、午後1時開始という条件でも、運動量で相手を圧倒した。苦戦が予想されながら、第1クールを終えて2位。昇格への安全圏と言われる勝ち点は「試合数×2」だが、すでに17試合で39を奪った。

 「去年は最後の15分動けなかった」と反町監督の言う坂本が90分間走れる秘密は、試合前に口にするサプリメントの「エンライテン」。発汗で失うナトリウムなどの電解質を補給するもので、水分補給より吸収が速く胃腸への負担も少ないという。反町監督が4月に導入。足がつる選手はいなくなった。

 新しいものを次々と取り入れる反町監督。ハーフタイムには、すぐにトレーナーがピッチに入り、水と首から体温を下げるための冷却剤を選手に渡した。坂本は「監督がやることは、すべて当たる」と話した。

 J2も10年目。J2在籍最長の記録を、今年こそ断ち切りたい。「まだ3分の1、前半30分が終わっただけ」と反町監督は素っ気ないが、今年の湘南は過去9年とは違う。「もちろん、今度こそはという思いは強いですよ」。湘南10年目の坂本は、目に力を込めて言い切った。【荻島弘一】