<J1:鹿島2-1大分>◇第15節◇28日◇九石ド

 首位鹿島から“金星”の夢も、一瞬で消滅した。前半を0-0でしのぎ、後半9分にMF清武弘嗣(19)が鮮やかに先制弾。しかし、淡い期待も7分後に打ち砕かれた。同16分に小笠原に同点とされ、27分に岩政の逆転弾が突き刺さった。悪夢の12連敗。必死に支えてきたサポーターも、さすがに黙ってはいられなかった。

 試合後、イレブンがホームサポーターが陣取るスタンド前に行くと、容赦ない罵声(ばせい)が飛ぶ。連敗にうなだれる選手を代表して、ケガから復帰し途中出場した主将のFW高松とDF上本がスピーカーを手にした。高松は「チームのためみんな頑張っている。信じてもらうしかない」と懇願し、上本は「お互いが信じ合えなかったら大分自体まとまらなくなる。(千葉戦は)絶対勝つ。応援頼む」と叫んだ。

 しばらく押し問答は続いたが「絶対に勝つんだな」と約束を取り付けたサポーターはその後、トリニータコールを大合唱した。試合前には「プロのプライドをみせろ」という横断幕のみを掲げ、応援行動も行わないなど、選手への「ゲキ」を意思表示していた。

 シャムスカ監督は「あきらめたら最後」と声を振り絞った。ただ、改善策も見えず、逆襲の道のりは極めて険しい。【菊川光一】